動物病院HOME < 院長のコラム < 5月の熱中症緊急対応
雨の気配が強く香る季節、来月になれば梅雨に入るでしょうか。
雨は実は昔から嫌いではなくて、心を鎮静させる素敵な効果を持っていると思います。
小さな頃、夜の雨が降ると二階の家族全員で眠っている寝室の窓をコッソリ開け、少しだけ吹き込む夜の気配と小さな水滴とそれから庭の木々の葉をうつ雨音に耳を澄ませ、頭から布団を被ったまま、飽きもせずに外を眺めていました。
いつの間にか高ぶっていた気持ちが静まり、そのまま眠ってしまうのですが、今思えば開けたままの窓を両親がきっと気がついて閉めてくれていたのでしょう。 迷惑だっただろうなあと思います。
でもさらさらと落ちる雨の白いすじと、アスファルトとタイヤの間でたてる音は、何時だって寝付けない子供の子守唄になったものでした。
流石にそんな繊細な心持ちはもうあまり残っておらず、布団に入れば気がつけば朝、というのが今の日常ですが、それでも雨の降る日はヒートアップしやすい気持ちも落ち着くというものです。
逆に落ち込みやすくもなるのも事実で、こんな日は無理せずおこもりするのがいいなあと、病院のガラス越しに外を眺めます。
さて先日、衝撃的な事に、5月にして今年度の熱中症第一号となる来院がありました。
しかも発症したのは、なんと夕方過ぎて夜になってから。
午前中は全く普通通りだったのに、その日の熱気は確かに夏日だったので、日が落ちてからも暑さは残っていたのです。
それに加え、じめじめとした湿度がありました。
とはいえ、夜の時点では決して暑くて暑くて!という状態ではなかったのですが、明らかに体温上昇とパンティング、意識の低下が見られ、緊急来院されました。 今年最速の熱中症でした。
幸い血液検査に大きな異常が出る前でしたので、身体を冷やし、補液などの対症療法で対応で済みましたが、一歩間違えば死に至る病気です。
都心では、夏日の最多更新があったという喜べないニュースがありました。
今年の夏はどうやら暑くなるようです、人間も犬も今一度、熱中症対策をこの時期に検討してください。
熱中症に関しては以前のコラムでも取り上げていますので、よろしければご参照下さい。
熱中症にならないために、注意すべき症状、応急処置などについて
実際に起きた時に、対処法を知っているかどうかで、緊急性の高い病気は予後が異なります。
そうか冷房入れているから大丈夫!と思っていても、冷房が何時壊れるか分かりませんし、電力供給も昨今は不安です。
万が一、億が一、と言った用心がその子の命を助ける事もありますので、どうか一度目を通して頂きたいと思います。
ちなみに暑さに強い猫も、度が過ぎた暑さでは熱中症になります。
猫が開口呼吸(口を開いて呼吸する様式)をする場合は、かなりの異常ですので、すぐに来院されてくださいね。
じめじめする季節は外耳炎、皮膚病の悪化なども多く見られます。
耳の中の匂いがいつもと異なるなら、かき分けた皮膚が赤かったり、触ってぼこぼことしていたら、それは病気のサインですのでチェックしてみてください。
早めの治療で梅雨の鬱陶しさを乗り切りましょう!
2015-05-31
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