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命を最優先にする行動を
命を最優先にする行動を

目が覚めた瞬間から暑さを感じる夏ですね。

連日の猛暑を超えた激暑に体調を崩されていらっしゃる方も多いと思います。

溶連菌や手足口病、コロナウイルスと感染症関係も猛威をふるっており、体力の低下した体には夏風邪だけに留まらない重い症状をもたらすことも多いようです。

今一度、手洗いうがいの徹底と、人の多い場所でのマスクをお勧めします。

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今年が格別に暑い夏であると実感せざるを得ないのは、病院の行き帰りですら熱中症症状を起こす動物たちがとうとう出てしまったからです。

先日は爪切りでいらしたロングコートチワワの子が、病院に着いた時点で呼吸促迫、チアノーゼ、体温は42度越え。一転熱中症対応となりました。

飼い主さんのお家から病院までの距離が近く、抱っこやケージに入れてではなく、飼い主さんと共に地面を歩いて来院されたのが原因でした。

また病院で診察を終えて帰宅した長毛種の猫ちゃん、家についてケージを開けると開口呼吸をしていたとのこと、帰宅にかかった時間はおよそ10分程度。

リュック型のケージの中にアイスノンなどの冷却剤を入れていなかったことが原因と考えられます。リュック式は両手が自由になり非常におすすめの形なのですが、密閉率の良いものも多く、また大きめの窓がついている場合は日光をよく吸収します。

冬場はいいのですが、今のように類を見ない暑さでは中に保冷剤等をしっかりと敷き詰め、日傘などで直射日光を防いでいただいた方が良いようです。

実はファン付きのものもあるのですが、このファンをつけ、中に小さめの保冷剤を一個入れただけではやはり開口呼吸を引き起こしてしまった例がありましたので、こんなに要る?と感じられる程度には床に保冷剤をきっちりつめ、その上に薄手のタオルやガーゼを敷いて対応していただきたいです。

首に装着するタイプの冷却剤や腹に巻くタイプの冷却剤もあります。

ケージではなく抱っこで来院される場合はぜひ使用していただきたいのですが、残念ながら15分程度しか冷たさがもたないのが現状です。大体が来院された時点ですでに緩くなっています。帰り道用にもう一つ保冷バッグなどに入れておくといいかもしれません。

また水分補給用に常に水の携帯をして下さい。これは動物たちの分だけでなく、ご自身の分にもお願いします。恐ろしいことに、今年のような暑さでは、5分、10分だから平気でしょう、という楽観視が全くできなくなってしまいました。

なんと朝6時にお散歩に行っただけで、熱中症になってしまったわんちゃんまで出てきてしまったので、もう朝のお散歩も日が出るまでしか不可能と考えて下さい。

hr

正直こうなってきますと、「お散歩に行っていい時間は何時くらいですか?」というご質問に「今の季節はいいといえる時間がありません」としかお答えできないな、と真剣に思っています。

「え、うちの子は毎日朝7時にお散歩してるけど大丈夫よ?」

とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、熱中症のリスクは年齢、犬種、体重、気管虚脱や喉頭狭窄の有無、心臓病や腎臓病などの既往症などによりリスクは大きく異なります。

海辺や車のように急速でわかりやすい症状を起こす場合と、ジリジリとゆっくり時間をかけて悪化する場合があり、六月中は後者が、最近では前者のタイプが多く見られます。

後者の場合は積み重なったものが溢れ出るように症状が出るため、数日間は平気でもリミットを超えた瞬間に体調を崩すことになるでしょう。

これからますます暑さが加速していけば、体に蓄積されたダメージは増え、より熱中症を引き起こしやすくなると考えられます。

今までが大丈夫だったとしても、これからはダメかもしれない、と考え命を最優先にする行動を取られて下さいね。

hr

わんちゃんで外での排泄しかできない場合、保冷剤などで体を冷却しつつ、最短時間で済ませ、行き帰りはなるべく地面を歩かないようにしましょう。熱くなったマンホールや金属のスロープで肉球を火傷した犬たちもいます。少し特殊ですが、熱で柔らかくなったゴムに釘が埋まり、気づかずに踏んでしまってその尖った先で怪我をしたケースもあります。

かつての梅雨や夏を知る我々には信じ難いことですが、今は暑すぎて小学校のプールが中止になるとのこと、気候変動は今後も続き、毎度の夏ごとに我々の意識や考え方、行動をバージョンアップしていかなければならないのでしょう。

このところずっと暑さへの警戒のお話ばかりで恐縮ですが、まだ八月、九月と残暑も厳しく長くなるとの予報が出ておりますので、どうか皆様、ご自愛くださいませ。

対策を万全にして良い夏をお過ごしくださいますよう、祈っております。

2024-08-05

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