混合ワクチンで予防できる病気は致死性が高かったり、重篤になったり、なんとしても予防したい!という病気ばかりです。
生まれた年に生後1か月以上で1回、その後4週間あけて2回目、さらに4週間あけて3回目とトータル3回接種し、その後は毎年1回追加接種が必要です。
もしくは生後8週齢以上で1回、4週あけて2回の計2回接種の方法もあります。
このワクチンは生ワクチンと不活化ワクチンの混ぜられたものです。
レプトスピラ感染症が入っているもの(7種以上)と、いないもの(6種以下)で、差があります。
レプトスピラ症はウイルスではなく細菌による感染症なので、
たくさん亜型があり、その数で11種混合ワクチンまであったりします。
たくさん予防できるのは便利ですし、安心ですね。
ただ予防できる数が多い分、コストも上がるので、飼われている環境などを考慮して、最適なワクチンを選ぶことが出来ればよいと思います。
犬ジステンパーウイルスに感染しても、ワクチンを接種している比較的体力・免疫力のある犬の多くは、ほとんど無症状かケンネルコフのような軽い呼吸器症状ですみます。 しかし、ワクチン未接種の犬や、その中でも特に免疫力の少ない子犬や老犬、他の病気で体力が弱っている犬では、次のような症状が見られます。
風邪のような症状。単独で問題になることよりも、 他のウイルスとの混合感染により症状が重くなり、死亡率が高くなる呼吸器病。
病気の程度は軽いものから重いものまで様々。軽症の場合は軽い発熱や鼻水が出る程度ですが重篤症例、特にワクチン未接種の犬、とりわけ子犬が感染した場合は、全く症状を示すことなく突然死亡するケースが多く見られます。
また、他のウイルスと混合感染すれば致死率がより高くなります。
ケンネルコフの原因の一つ、伝染性が非常に強い。
犬パルボウイルスによる感染症で、子犬の場合は特に致死率の高い恐ろしい病気です。 感染犬の便や嘔吐物、それらに汚染されたものへの接触を通じ、口や鼻から感染します 非常に感染力が強く、かかると、あっという間になくなることが多い怖い病です。
成犬も含めて離乳期以降の犬がかかる「腸炎型」と、 生後3~9週齢の子犬がかかる「心筋炎型」の2タイプがあります。 腸炎型は、激しい嘔吐と下痢を繰り返し、悪化すると、悪臭のあるトマトジュースのような粘液性の血便をし、重度の脱水症状を起こします。また心筋炎型は、健康そうに見えた子犬が突然、虚脱や呼吸困難を起こし、急死するものです。
ウイルス感染症に対する特効薬はなく、下痢と嘔吐への対症療法が中心になります。抗生物質、輸液療法、猫インターフェロンの投与などを行います。
子犬がこの犬コロナウイルスだけでなく、犬パルボウイルスや腸炎を起こす他の細菌などにも感染した場合は、これらの症状がより重くなり、命に関わることがあります。
2種類のタイプがあり、人間にも共通の感染症で、ネズミの尿から感染します。
山や土手や川やネズミの出るようなところによく行く場合など特に必要です。
よくワクチンで聞かれるのは、毎年打つ必要があるのですか?ということ。
確かに一部の報告では3年間抗体価(ワクチンのきいているかの指標)が下がらなかったというものもあります。ただしこれは海外での話で、しかも限られた種類のワクチンです。
日本人は非常にきれい好きですが、残念なことに動物の病気に関していうと、かなりの汚染国です。
私は大学病院の研修後、現場の状態を確認したくて、ペットショップの獣医としてアルバイトをしたことがあります。ペットショップのような子犬、子猫を扱う施設では、実際目の当たりにすると、驚くほど感染症でなくなっている犬は多いのです。
それでも昔に比べれば、だいぶ改善しているのでしょうけれど、 感染症でなくなる子が珍しいのではなく、日常化しているのが現状です。
とうことは、その原因であるウイルスや細菌は常在化して、日本全土に散らばっているわけです。
この高濃度汚染国に比べ、ワクチンの報告をあげているアメリカやイギリスなどは、動物を取り巻く意識が高く、
ワクチンの接種率も高いだけでなく、子犬子猫の流通や販売に至るまで、非常にコントロールされ、規制も厳しいのです。
そのような国のレポートと、日本の現状をいっしょくたにして考えるのはどうなのかなぁ、と思っています。
いつか日本でも、未来にもっと動物たちを取り巻く環境が整備され、関わる人も状況も進んだなら、三年に一回くらいのワクチンでもいいねと、言える日が来るのかもしれません。
でも法で決まった狂犬病ワクチンの接種率すら低くなってしまっている現状では、残念ながら毎年のワクチンをお勧めするしかないのだと思います。
※法律「狂犬病予防法」で接種が義務づけられている唯一のワクチンです。
法律では、毎年4月~6月までの間に接種することになっています。
保健所から毎年届く通知書に、予防接種を受けられる日時と場所が書かれています。
これがいわゆる、集団接種というものです。
都合が合わない場合は動物病院で受けられます。
予防接種の証明書を区役所に届け取得した鑑札と注射済票は、必ず犬に付けなければなりません。
なお、これらの義務を怠ると狂犬病予防法違反となり、20万円以下の罰金に処せられます。
日本語では狂犬病という名前のせいで犬に感染するものと思われていますが、食肉目の動物なら感染するため、海外での病気をうつす動物としてマークされているのは、アライグマやきつね、こうもりなどです。
狂犬病は人間にもうつり、発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい感染症です。
日本では戦前戦後、猛威を振るいました。しかし、その当時の懸命な防疫の努力が実り、現在は1957年以降、発生はありません。これは日本が島国であることと、徹底した狂犬病予防法による防疫によりなしとげられたことです。
清浄国といわれる、日本のように狂犬病の発生のない国はひじょうに珍しく、世界でもアイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムなどやはり島国を中心にごくごく限られた地域だけなのです。
おとなりの韓国、中国では高率に発生し、年間3000人以上が死亡しているとされています。 昔に比べて海外との距離が近くなった現在、いつ日本に入ってきてもおかしくないといってもいいほど。必ず予防しておきたい病気です。
接種していない子は淘汰される可能性もありますので、他の病気を発症していない限り、接種を受けられることをお勧めします。
生まれた年に、生8週齢以上で一回、4週間開けてもう一回のトータル2回、その後は追加接種として、毎年一回接種が必要です。
当院では、3種と5種のワクチンを取り扱います。
基本的に完全室内飼いの猫ちゃんは3種を、お外に出る猫ちゃんには5種をすすめています。
猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症及び猫汎白血球減少症、の3つの病気に加えて、5種ワクチンにはクラミドフィラ・フェリス感染症(通称:クラミジア症)、猫白血病ウイルスに対するワクチンが含まれます。
メーカーにより、生ワクチンだけのものと、不活化ワクチンも含まれるものがあり、それぞれのメリットデメリットがあります。
猫かぜ、とよく言われています。
子猫の時に酷く長くかかっていると大きくなってからも常に涙目だったり、鼻がズビズビ言い続けたり、結膜が腫れぼったいままだったりします。
重度になると死亡することもあるので、早めの治療が必要です。
子猫が発症すると、口の中の潰瘍がひどい場合、うまくものが食べられずに消耗し、亡くなることもあります。
かかる前の予防がとても大切です。
経過が早く、体力がない子猫では急死することがあります。
ワクチン未接種の多数飼育されているうちで発症したケースをみたことがありますが、一週間で10頭以上の子が発症し、亡くなっていきました。
ワクチン接種が浸透してあまり見られなくなったとはいえ、一度起こると手が付けられないイメージがあります。
主な感染経路は、感染猫の唾液、涙、尿、便、血液、乳汁に含まれるウイルスです。
ケンカなど咬み傷、グルーミングや食器共有、感染した母猫などからの感染が多く、胎盤感染の場合は、流産、死産することが多く、生まれても育つことは少ないです。
白血病を起こすこともありますが、多くは免疫力が弱まることで様々な病気に感染しやすくなることが問題となります。
残念ながら感染した猫は、発病すれば80%が死亡するといわれています。
感染していても発病するまでは見た目は健康に見えるので自覚症状がない間に、ウイルスを排泄して他の猫ちゃんにうつす可能性があるので注意が必要です。
自分が大丈夫でも、感染源になるので、猫界(きっとあると思うのですが)全体としては、よくないことです。 50~70%が感染後2~5年以内に死亡する場合が多く、特に子猫の場合は発症しやすく死亡率も高いです。とくにリンパ腫の発症がみられると、抗がん剤でもなかなか、抑えきれずに亡くなるケースが多いのです。
最近はワクチン接種が進み、このような子猫に遭遇することも少なくなったといわれていますが、 油断はできません。
注!:猫白血病ウイルスにかかった猫ちゃんは、猫白血病ウイルスのワクチン接種ができません。
かかっているかどうかわからない場合は、まず検査が必要です。(血液検査でわかります)
FeLV抗原/FIV抗体同時検査用キットでその場でチェックできるので、野良ネコちゃん上がりの子は必ずチェックを。また外の猫ちゃんと接触がある場合も必ずチェックしましょう。
抗原検査では、ウイルスが侵入して1ヶ月以上かかることがあり、初期だと症状はあるのに検査では「陰性(-)」になってしまうこともあるので、再検査をした方がよいでしょう。
「陽性(+)」と出ても、約1ヵ月後には陰性となる場合もある(感染後4ヵ月までは陰性になる可能性がある)ので、再検査をした方がよいでしょう。 これを陰転といいます。
4ヶ月以上続けて陽性(+)の場合は、持続感染となりウイルスが消える可能性は低いです。
感染猫との接触により、口、鼻、目より侵入し感染。
多頭飼育の場合は、一匹が感染すると、全員にかかる可能性があります。
一度感染すると、唾液などの分泌液や糞便中にも、クラミジアを排出することになります。
主な症状は粘着性の目ヤニを伴う慢性持続性の結膜炎で、ウイルス性の結膜炎より経過が長いのが特徴ですが、混合感染が多いため、簡単に区別はできません。
感染後3~10日後、通常は片方の眼の炎症から始まります。結膜炎は体力のある猫なら2~6週間で治癒しますが、慢性化したり、キャリア化(症状はないが病原体を排出する猫)することも多いのです。
鼻水、クシャミ、咳がみられ、重症になった場合には気管支炎や肺炎などを併発し死亡する場合も。猫エイズなどとの混合感染は、予後が良くないので、注意が必要です。
母猫が感染している場合、子猫が眼炎、肺炎を起こし、生後数日で死亡する事もあります。
3種ワクチンを接種している猫で涙眼や結膜炎が少し長くみられた場合には、感染の可能性があります。
診断は遺伝子検査により確定できます。
ただし、混合感染していることが多いので、ネコヘルペスウイルスやネコカリシウイルス、マイコプラズマ、ボルデテラなどと一緒に遺伝子検査を依頼することもあります。
ただ、臨床経過から疑わしい場合は、テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系の抗菌剤がクラミジアに有効なため、治療に進む場合もあります。
抗生物質の投与は、症状が消えてからも、クラミジアを完全に消滅させるには14日以上(2~3週間)は継続投与しないと、再発したりキャリア化することがあります。
また、再感染を防ぐため、塩素系洗剤で念入りに消毒も行います。
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