爽やかな5月が終わり、梅雨の始まりが南からやってきています。
おそらく湿度の上がり方を肌で感じてらっしゃる方も動物たちも多いのではないでしょうか?
またお天気頭痛のような気圧差による不調を感じる場合もあると思います。実はこれ、とても良くない時期です。
気圧の乱高下が激しいと、この影響をうけて発作をコントロールしている子たちが安定しません。
警戒をしていましたが、案の定発作が強くでてしまう動物たちが増えてしまいました。
こればかりは発作が起きるかもしれないな、と気持ちを備え、座薬を構えるくらいしか対応ができず、なかなか歯がゆい気持ちです。
暑い、寒いや雨や気圧など、個人がどう頑張っても対応できない大きな相手です。この地球規模の環境変化にこうやって影響されるのを感じると、われわれは地球という稀有な星の一員なのだな、と改めて感じるなど若干の現実逃避を行ってしまいます。
ですが永久に続くものでもないので、速やかに梅雨が過ぎ、夏へ季節が移ろうのを待とうと思います。
さて、今回は先日血圧を測定したかわいい猫ちゃんの写真をお届けします。
え、動物って血圧測るんですか?とよく聞かれますが、はかります。
ただ、取るのにはすこし気を使います。
人間でも白衣性高血圧があるように、動物たちは診察台の上に乗っただけで血圧も心拍数も上昇してしまいます。安静、静かに、心を落ち着けて、検査に臨んでほしいのですが、そんなことを猫ちゃんやわんちゃんが理解できるはずもなく。
よってまずは個室に入ってもらいます。
静かになにもせず様子を見つつ部屋の電気を消し、飼い主さんもその部屋に閉じ込めます。
少し落ち着いたら、飼い主さんに手伝ってもらって血圧バンドを手足か尻尾、本人が嫌がらないところを探して巻いてもらいます。
定期的に血圧を測定するモードにします。
そのまま暗闇の中で飼い主さんと1人と一匹、15分から20分は2人きりで静かに過ごしていただきます。
繰り返し測定すると、徐々に血圧が安定してくるので、そのスコアが落ち着いてきたら任務完了。
血圧測定が無事にできました!
もちろん、飼い主さんがいなくても、今回のスカルーのように全く動じずに測定できる子もいるのですが、基本は何より安静なので飼い主さんごと閉じ込めるのが最も綺麗に測定できるな、という実感があります。
ちなみに取るときはケージの中に入れたままにしてあげることが多いです。
抱っこが落ち着くならそちらにすることもあります。
猫で高齢になるとよく発症する甲状腺機能亢進症では、高血圧がよく起こるので、この病気のチェックのためにも血圧測定は有効です。
そして採血の痛みやレントゲンの被ばくなどと違い、ストレスが限りなく少ない検査です。
飼い主さんごと暗闇に監禁するため協力をしていただく必要がありますが、本当はもっと気軽にできたらいいなぁと思う検査です。
おそらく前述した発作が気圧変化に影響されるならば、血圧の定期的な測定もコントロールの指標になるのかもしれません。
眼圧なども血圧で変わってくるので、緑内障のチェックにも有効です。
2025-06-10
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