院長のコラム

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体の声に耳を傾けて
体の声に耳を傾けて

師走に入りました。

毎回コラムで書いている気がしますが、本当にあっという間の一年でしたね。

11月後半から時間の過ぎ方が一段感加速した感じがします。なんでしょう、この体感。

気温が下がってからの方が早く感じるのか、純粋に日照時間が短くなっているからなのか。

2024年は激動の1年!
2024年は激動の1年!

個人的なことを挙げるなら、今年は本当に激動の年でした。

毎月毎月起きるなにかに振り回されて、襲いかかってくる荒波を超えるための船の操舵を必死に操っているような12ヶ月でした。

舵を全力で握った手のひらは、ひどく擦り剥けてタコができましたが、またさらに硬い手のひらになって、力強く、次の荒波を超える時はもっとスムーズに恐れることなく進んでいけるのでしょう。おそらく天候を読んだり、先の予測を立てるのも、波を裁くことも、ベテラン航海師並みにうまくなっているはず。

そう信じて変わらぬ大海での航海をつづけていこうと思います。

自身の健康管理について
自身の健康管理について

さて不惑をとうに過ぎて、改めて自身の健康管理も考えさせられました。

自分を含め、身近の知人や友人たちに年齢相応の病が出てきたり、若い時の無茶が祟ったと思われる疲れが出てきたり。

いつまでも若くはない、自らのペースを考えろと諸先輩方からいわれていたありがたいアドバイスを今更実感しています。

年を重ねて出てくる問題を老化と一言にいえば簡単に済ませられるのでしょうけれど、実際には細かな不調の積み重ねによるものが多く、一つ一つ見ていくと対処できるものもあります。

例えば代謝の低下などは最もたるものですが、研究では勝手に代謝が下がるのではなく、動かなくなることによっての筋肉量の低下により、組織が脂肪に置換されることによっておこるとされています。

これって考えてみると、子供の時に学校で強制に的に行われていた体育がなくなったり、部活動がなくなったり、体育祭や文化祭や音楽祭やら多くある学校行事のたびに飛び回ったりもせず、休み時間に校庭で遊ぶこともなく、通学の基本的な歩行の量も減り、代わりに電車や車、自転車の移動に変化し、デスクワークならひたすら座りっぱなし。しなければならない運動量が低下することにも原因がある気がします。

一限にプールに入って、二限は算数をやって、みたいなことはほとんどの大人はしていませんよね。

逆に大人になってからは意識的な運動をしなければ若い頃の運動量に及ばなくなり、使ってもらえない筋肉は裏切らずに減ってしまうのでしょう。脂肪は優しく寄り添い増え続けますが。

この理屈で言えば、筋肉を何とかして落とさないことが代謝を下げないコツになってくるわけです。

そう、筋トレ、大事。

その明快さからジムが流行る理由がよくわかりますよね。

もちろん関節はどうしても加齢性の変化が起こり、鍛えられないところです。

コラーゲンでできた靭帯は劣化しますし、骨も長く使えばすり減っていきます。

ですから年齢が上がってからの運動は、強度に気をつけ無理なく、かつ継続できるものを行う必要があります。

ヨガやピラティスなどは精神面での安定も得られ、女性向きだなと感じます。

hr

一時期、ホットヨガに通っていたのですが、そこでトレーナーの方がおっしゃった、「ここでは、日常のいろいろな不安や考えなきゃいけないことを全て忘れて、今の自分の体にだけ集中してください。そのための時間です」とおっしゃっていたのが印象的でした。

肉体の声に耳を傾けることって、考えてみたらなかなかないんですよね。

なにかしながら、他の心配事を考える平行思考はおそらく多くの人が癖になっている習慣で、大体においてそこで優先されるのは自分のことより、他の人と関わりながら進むことが多いと思います。

仕事や家族のこと、学校のこと、研究室や職場のこと。

極端な話、自分のことは後からどうにかなるから。

でもどうにもならないことは必ずあって、特に体に関しては、後回しにしやすいけれど、遅くなってからではのっぴきならぬことになっているものです。

自覚症状が出た時点でかなり進行しているものだと考え、嫌だし、面倒くさいけど病院へ行く習慣はつけましょう。

そして大事なことですが、相性の悪い病院では、医師も患者もお互いのパフォーマンスが落ちます。

病状を伝えることも、相談することも、信頼することも、やりやすさとか通じやすさって実はとても大切です。

人間同士の関係で相性が関わらないはずはなく、そこがうまくいかなければお互い正しい行動をしていても、良い結果を生みません。

ですから一度行って何か合わないな、と感じたら違う病院を探す必要があります。

けれど、その時点で病状が進んでいたら待ったなしなので、他を探す時間的余裕はありません。

普段からワクチン接種や定期検診などに行き、ここなら信頼できる!という病院を見つけておく必要があります。

また病院といえども人は常に流動的に動くもので、勤務医の先生方は兎角変わりやすいものです。今年は良くても来年はまた異なる、というのはよくあることですので、そこも含めて選ぶ余裕がある時に診察に行ったほうがいいな、と思いました。

そう、これは動物病院を選ぶ時も一緒なんですよね。

しかも言葉を話せないから不調を伝えることもできない相手、推測してなるべく早く連れてきたつもりでも、遅い時もあります。

気持ちと時間に余裕がある時に、自分と合った病院を見つけておきましょう。

hr

かくいうわたしは、先日、奥歯がかけました。

おそらく緊張する処置で噛み締めすぎたらしく、しばらく後で食事をしていたら口からかけた歯がポロりと。

元からかかりつけの歯医者さんに、噛み締めるくせがあるから気をつけるようにいわれていた矢先の出来事で、非常に罰の悪い思いで診察に行きました。

もしかしたら、かけているかも、と往生際悪く伝えたのですが、しっかりかけていました。

「ここ、かけてますね。思い切り噛み締めましたね」

「ヒュミマヘン(すみません)……」

「治します」

「ひゃい(はい)」

申し訳なさが込み上げる中、他の歯も心配なので、と次の予約を短期間で取ることになりました。

気をつけてください、重々、気をつけて、といわれました。

全く信頼されていない気配が感じられます。

歯医者さんはできたら行かなくて済ませたい場所ナンバーワンだと思うのですが、いたみが出たらおしまいなことは疑いようがない事実。

意を決して定期的に行くことで、行くことへのハードルを下げよう、来年度のわたしの密かな目標です。

皆さんもぜひ、ご自身の体の声に耳を傾けてくださいね。

2024-12-05

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