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衝撃の症例
衝撃の症例

急激に寒くなってきた一月です。二月に向けてもう少し冷えが加速するのだ、と聞いている一方既に今年の花粉が飛びはじめた、という情報を聞いて絶望的な気持ちになっております。

なんと例年よりも多めに飛ぶのだとか…。なぜに…!

大体二月くらいまでは、アレルギー持ちの子達には少し楽になりますよ?とお話ししているのに!

そしてそれを裏付けるように、お腹の調子が悪かった前半期と違ってこのところ一気に耳がかゆい子達が増えてしまいました。

しかも中が汚れているケースから、体の奥からこみ上げる痒みまでバリエーションが広い!

春先の本番が恐ろしいなあと今から戦々恐々としています。

衝撃の症例
衝撃の症例

さてこのところ衝撃が走った症例がありましたのでお知らせします。

薬用シャンプーで通っている可愛いウエルシュ・コーギーのとほちゃん。とっても我慢強く優しい穏やかでおとなしい女の子です。

先日、いつも通り薬浴をおえて、看護師さんがお薬を指の間などの皮膚に塗り込んでいました。

と、後ろ足のパットに違和感が…。

よく観察すると硬い何かが突き出ている。指で触るとうっすら血がにじんできました。

「院長!針が刺さっています!」

あわててみてみると、なんと細い針金のようなものが、パットから微かに突き出ていました。

急いでとりだすと、なんと二センチ近くもある針金が、ずっぷりと刺さっていたのです…!

この処置の間、とほちゃんは全く鳴きもせず、いやがりもせず、じっとしていました。

傷の状況から少し前に刺さっていたものと思われますが、びっこを引いたり痛がる様子がなく、今回のようにかなりしつこくみる状況でなければ見落としていたかもしれません。

とりだせてよかった!

一同ほっと胸を撫で下ろしました。

家の中にあるようなものではないので、毎日散歩に行く道路で謝って刺さってしまったようです。最近は工事などが多いので、その破片などで思わぬ怪我をする場合があります。

お散歩から帰ったときは、少ししつこいかな?と思うくらい足の裏を確認することをお勧めします。

本人には嫌がられるかもしれませんが、とほちゃんのように我慢強い子だと、教えてくれないこともありますのでご注意下さい。

衝撃の症例
衝撃の症例

そしてもう一件、これも驚くような症例が…。

お散歩は好きでおっとりとした可愛いミックス犬のコロ助ちゃん、なんとお家でお母さんとお父さんがお尻に付いたマダニを発見!

一月も後半のこの寒い時期に!マダニの感染!

ちなみにコロ助ちゃんは、十二月まできっちりノミ、マダニの予防薬を使っている優等生のわんちゃんです。

それなのに、ガッツリと頭を皮膚に突っ込み、たっぷりと血を吸ってパンパンに膨らんだマダニが、お尻に食い込んでいたのです。

決死の覚悟のママとパパによって、マダニは摘出されましたが、頭が入り込んだままになっていないか確認するために来院されました。

実はこれ、とても大切で、獣医師以外の方が無理にマダニをとった場合、うまくとれないと頭が残ったままになってそこから皮膚炎を起こすことがあるのです。

幸い頭はきちんと摘出されていて問題ありませんでしたが、マダニはこれまでも何度かお話をしていますが、中に寄生虫が感染していることがあり、バベシア症やSFTSなど人にも感染する恐ろしい病気になることがあるのです。

感染していてもすぐに症状は出ないので、経過観察となりました。

コロ助ちゃんは白い被毛のわんちゃんだったので、発見も早かったのですが、これが長毛種で黒い毛などでは見つけづらいこともあります。

マダニの予防シーズンは夏から秋にかけてですが、別にこの時期死滅している訳ではなく、感染することはレアですが、条件さえあえばない訳ではないのです!

やはりノミ、マダニに関しては、フィラリア以上に通年予防をお勧めしたいと思います。

そんな二つの衝撃症例でしたが、二件ともとってしまえば一安心、といった症例でした。

どちらもお散歩によって起こると考えられる事態です。他人事と思わず、十分ご注意下さい。

真冬の怖い話でした。

2019-01-31

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