動物病院HOME < 院長のコラム < 只今レーザー治療中!
気温が安定しない日々が続いていますね。
妙に温かいと思ったらなんと20℃!もうすぐに師走だというのに、一体どうしたことでしょうか。
このいつもとは異なる安定しない気候のせいか、消化器症状と外耳炎が頻発しています。
どちらも少したちが悪く、治りづらい様子が見て取れますので要注意です。
また外耳炎はある日唐突に一気にかゆくなり、掻きむしって耳道などのからの出血などの症状が見られる、極端な悪化が多くなっていますので、耳をやたらにふったりこすりつけたり、触ると痛がったりする場合は早めに受診して下さい。
さて、今日のゲストは狆のマルコくん。
持病にリウマチと椎間板ヘルニアがあり、以前は鎮痛剤などの投薬を受ける必要がありましたが、レーザー治療を継続して行うことで、投薬することもなく日常生活を送ることができるようになりました。
今では七日から十日に一度ほどの頻度で治療に来ています。
レーザー治療は一カ所で五分ほどですんでしまいます。
実はこれとても気持ちがいい治療らしく、通院を重ねると大抵の動物達は抵抗することもなく、気持ち良さそうに座ったままリラックスして治療を受けています。
照射した所はかなりの早さで鎮痛効が発揮され、温熱効果もあり末端までぽかぽかとあたたまります。また持続性があり、照射後おおよそ一週間程度は調子がいいようです。
またコストも注射よりも低くなるので、継続的に治療する場合にも有効です。
初めは「なんだなんだ?」と不思議そうにしていた子達も、しばらく繰り返すと、「なんだ、あれか」と抵抗しなくなります。
特にマルコちゃんはとても賢い子で、「今日は手首がいたい」「今日は腰がいたい」というその時々の症状にあわせて、自ら患部をこちらに向けてくれるのです。そのうちうとうとしてきて眠ってしまうこともしばしば。
動物達はちゃんと自分にされていることが分かっているんだなあと、マルコちゃんを診察するたびに実感します。
治療は注射や投薬など苦痛に感じることも多いのですが、レーザー治療に関しては、副作用が全くなく、むしろ動物本人にとって快適な治療であるために非常に効果的です。
四肢や腰の慢性的な疼痛や椎間板ヘルニアの術後の回復期、安静期、打撲や捻挫の回復期などには驚くほど効果を発揮するので、獣医医療では心強い味方です。
ちなみに腰痛持ちの私や腱鞘炎持ちのトリマーさんにも試しに当ててみると、じんわりと温かくなり痛みが確実に減少するのでありがたいです。
また皮膚欠損部や浮腫の強い場所に当てると、血流を活性化し治癒能力を高めむくみをとってくれます。
以前、手根関節に腫瘍ができ、断脚をすすめたものの、それを希望されずにそのまま経過を見たことがありました。
骨まで進んだ癌の痛みは、消炎鎮痛剤でも良くならないほどで、同時に血管とリンパ管を圧迫して増殖し、手先はパンパンにはれ、指は揃えられないほどふくれあがりました。
あまりの酷さに駄目元で、とレーザーを当ててびっくり。三日後には浮腫が落ち着き元通りの手になりました。
また痛みも少し改善され、足をつくことができるようになりました。思っていた以上の効果の出方に本当に嬉しくて診察室で歓声を上げてしまいました。
痛みのコントロールは本当に大切なことです。
動物達は痛みに対してとても強く、懸命にそれを隠そうとします。
けれど痛みがない訳ではなく、じくじくとした痛みが長い時間をかけて体にダメージを与えているのは間違いありません。
なるべく負荷をかけずに、少しでも快適にすごす、そのサポートができるレーザー治療は非常にありがたい存在です。
こういった形で、獣医医療が進んでくれることに心から感謝したいと思う、秋の夜でした。
2018-11-30
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