院長のコラム

動物病院HOME < 院長のコラム < 空想少女の未来

空想少女の未来
空想少女の未来

節分を終えて、本格的に2016年に入った二月ですが、お正月からもう一ヶ月以上が経ったのかと愕然としてしまいます。

今年は閏年なので、29日があるだけでちょっと得をした気がしますね。それでもきっとあっという間なのでしょうが…。

そして二月は受験シーズンですね…!

この時期のニュースで見ては、胸がきゅっと痛みます、未だ、受験のときの大変さを思い出すので。 小学生の時も、高校生の時も受験は本当に恐ろしいものでした。もう二度としたくないものとしたら先ず真っ先にそれというくらいには…。

国家試験はもう一回やってもまあ頑張れるのですが、受験は絶対にしたくないですね…。

どうかこれをお読みの受験生の皆さんには無事に試験を受け全力を尽くす事が出来ますように、心から応援しております。

先日、私が初めて勤めた病院で、保定や爪切りや飼い主さんとの会話の仕方などを指導してくれた動物看護師さんが、このコラムを読んでいるよ~と連絡をくれました。

知人や友人が読んでいると聞くと、なんだかやたらに恥ずかしくなるのはなぜでしょうか。

実はその当時勤めていた病院では、毎月獣医師と動物看護師は日記を書く事になっていました。 これをホームページに出すので、文章チェックをする係をしていました。
今思うと誤字脱字ばかりの私が、よく人様の文章チェックをしていたものだと、恥ずかしくてなりません…。

今から十年程前の話です。ちょっと信じられないですね。今でもつい二、三年前くらいの感覚なのですが。

hr

小さい頃なりたかった職業は絵本作家でした。

絵を描いたりお話を考える事が大好きで、休み時間も外に行くよりも室内で本を読んでいて、常にぼんやりとしていた覚えがあります。

通学路でそこの角を曲がったら、大きなロボットがいたらどうしよう、家に帰ったら飼っている秋田犬が喋りはじめたらどうしよう、学校のお友達が独り残らず身知らぬ人に変わっていたらどうしよう、机の中の色鉛筆が脱走したらどうしよう、帰り道で話しかけてきた女の人が、未来の自分だったらどうしよう、何を聞こう?

そんな事を毎日ずっと考えている訳ですからぼんやりもしようというものです。

小学校の通学は電車だったのですが、必ず本を持っていって歩きながら読んでいました。 今からでは想像できないのですが、なぜ歩きながら本を読んで誰にもぶつからずに帰って来られていたのでしょうか。

当然こういった事は危険ですから、小学校の先生に怒られましたし、同級生の男の子にいーっけないんだいけないんだ!とはやされた事もありました。ですがいっこうに懲りず、毎朝壁一面におさめられた本棚の前で、今日はどの本をお供に連れて行こうかな?と考える日々でした。

子供のエネルギーは凄まじく、文庫だけでなくハードカバーの本も関係なく持っていきました。

ある日などハードカバーの本を絞りきれず、三冊ともお供にしたので両手が塞がっていた日がありました。 なんとたまたま衣替えのニュースで夏服に変わった中学生を写した後ろで、横断歩道を両手に本をかかえて友人と歩いているその姿が新聞の一面にのってしまい、本は歩きながら読んでいません、鞄にしまっていますと嘘をついていたのがばれたことがあります。

しかもその新聞を切り抜いた担任の先生が、悪気なく教室の後ろ側の黒板に張り出す、というおまけが付き、非常に恥ずかしい思いをしました。確かその時の切り抜きは貰ったはずなので、家の何処かに残っているかもしれません。

ずっと算数が苦手で、大きくなると学校で算数を勉強しなくても良い進路があると聞いた時には、絶対に絶対にそちらの道を選ぼうと誓ったはずなのに、今の私は子供の時の私からすると信じられない方向に進んだのだろうと思います。

当時10歳だった私に今の私が会ったのなら、中身は全く変わってはいないですから、大概どんな話をするのかも想像はつくのですが、算数はどうやって切り抜けたのか?と言われたら、その時に泣きながらやっておいてくれてありがとうと言いたいです。

hr

子供の頃は、大人になる事が遠い遠い未来の事だと思っていました。

自分の両親は最初から大人で子供の頃などなかった様な気がしていましたし、学校の先生や従兄弟のお兄さん達はみんなみんな立派な大人に見えました

今、それを振り返ってみれば、あの時の母や父は、今の私よりも年若く、先生だって同じくらいだったのです。 きっと必死で成長したいと願っている、大人になろうと努力をしている大人だからこそ、立派に見えたのだろうとおもいます。

時々、子供の頃の私が今の自分とあったら?とあの当時考えた事を今の私が考えます。 どう見えるのかな、獣医さんをしていると言ったらどうおもうかな?

あの当時病気ばかりして毎年入院していたせいで、長く生きられないと変に信じていた私は、夜勤も完徹も夜の手術もありの体力勝負の仕事を頑張っている様をみて、びっくりするのかもしれません。

今年、36歳になるのですが、十年前、二十年前、三十年前の自分に思いを馳せながら、未来の80歳くらいの自分についても考えます。

年を重ねても何かの形で、動物と飼い主さんのために頑張っていられたら良い、そう思う二月なのでした。

2016-02-15

院長のコラム トップ

「うちの子の様子がおかしい?」「狂犬病の注射を受けさせたい」「避妊手術はいつすればいいの?」など、お気軽にご相談ください。

「うちの子の様子がおかしい?」「狂犬病の注射を受けさせたい」「避妊手術はいつすればいいの?」など、お気軽にご相談ください。

tel03-3809-1120

9:00~12:00 15:30~18:30
木曜・祝日休診

東京都荒川区町屋1-19-2
犬、猫、フェレットそのほかご家庭で飼育されている動物診療します