動物病院HOME < 院長のコラム < 動物たちの食物アレルギー
沖縄が梅雨入りしたというニュースに、ではそろそろ外耳炎シーズンだ、となるあたりだいぶ職業病だな、とは思う今日この頃です。
GWには久々に人の流れが全国で形成されたようで、休み明けからは遠出をしてきました!という報告をいただくことも多かったです。
動物たちも久々の旅行を楽しんだのではないでしょうか?とはいえ基本的に飼い主さんがいればそこはパラダイスなのが犬猫たちなので、どこにお出かけしなくても普段より長く一緒にいられた時間は何よりも素敵な休暇になったと思います。
コロナ災禍のなか始まったウクライナ侵攻、それに伴う世界のエネルギー事情の変化、NATO加盟の加速など世界政情が目まぐるしく変わっていくのを、まるで歴史の教科書を早回ししているようだなと感じています。
世界のどこかで起こったニュースが即時、ネットで拡散されほとんど時差がなく手にいれられ、映像や音声を見聞きできる現在だからこそ、受け止める我々の処理能力以上に早いその速度についていくことが難しく感じるのかもしれません。
今後はさらにその速度は早まるでしょうし、二度と遅くなることはないでしょう。
同時にフェイクニュースや曲解された極端な意見にスポットを当てた情報などもあふれるでしょう。現在よりなお善と悪、真と偽を見極める能力と知識が必要になると思われます。
どんな情報に対しても冷静さを失わず、何に対してもフラットなものの見方ができるかどうか。
とても難しいですね。それでもしていかなければならない世界によりなっていくのだなと感じています。
人が一生で受け止める情報量が増えた、ということは判断や決断が増えたとも言い換えられるのだと思います。
そして善と悪、好きと嫌いは混同されやすいのが人の感覚といいます。好きなものは善く、嫌いなものは悪く見えるのが当たり前、でもそれをまぜこぜにしたままでは、判断を誤ることになるでしょう。冷静な目をいつも心において、モノを見ていきたいなと思います。
さて、今回驚く症例が。
エミーちゃんはスコティッシュフォールドの素晴らしく可愛い女の子。
けれどいきなりこんなふうに顔が真っ赤に!
なんとこれ、フード変更にともなう食事アレルギーだったんです。
いままでこんな強いアレルギーの症状が出たことはなく、突然のことに驚きましたが、幸いフードをアレルギー用に変更し、速やかに改善しました。
同時に食物アレルギーのパンチのある症状と劇的な悪化の仕方に、やはり気をつけていかなければならないな、と改めて思いました。
またこれだけではなく、フードの変更に伴い吐き気が出て食欲が全くなくなって入院になってしまった猫ちゃんや、一気に痒みが出て脱毛してしまったわんちゃん、お腹が下って止まらなくなったわんちゃんなどもつづきました。
フードの影響力は絶大で甚大。
あげ方や種類、変更するときに気をつけなければいけないことを重々大切にしなくてはいけないですね。
また猫は鼻がきかなければ食べない、また飽きやすく、飽きると前触れなく突然同じフードでも食べなくなる、気に入らなければ倒れるまで食べなくなる、丸2日食べないと肝リピドーシスとなり死ぬ可能性がある、など種特異性のある習性もあるので、飼い主さんは今までのご自身の経験からだけでなく、幅広く知識と情報を得てほしいと思います。
エミーちゃんは飼主さんのおかげで原因が早くわかったので、現在はもとの可愛い顔に戻りました。
症状の出た前後でなにか環境の変化があったときは、なるべくそれを速やかに伝えていただけると治療の大きな助けになる、という良い症例になりました。
2022-05-20
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