動物病院HOME < 院長のコラム < ご厚意を無にしないために
今年も各地で大雨洪水警報が発令され、台風による影響で多くの人の営みに影響が出ています。情報化された現代では、SNSやテレビ、ラジオなどを通しリアルタイムで情報が共有され、警戒や注意を呼びかけてくれているおかげで、人々の対策への意識が高くなっているのが救いですね。
シーズンになっているとはいえ、このところの局所集中型、しかも短時間で一気にバケツをひっくり返すどころか小型プールをひっくりかえすレベルの雨の降り方は、かつて私達が経験していたものとはまた異なる降水のタイプで、正直、過去の経験などでは対応できないものになりつつある気がします。
今までここまで水が来たことがないから、風で飛ばされたことはなかったから、うちは、私はきっと大丈夫、はまず通らず経験したことのない災害が簡単に起きてしまうリスクに向き合わなければなりません。
また、電気などが止まってしまった場合、いまの季節では熱中症の危険があります。
普段から凍らせたペットボトルや冷却剤などを用意しておくのも大切ですね。発熱したときにも使えるのでうちにもストックされています。
クラシカルなものですが、うちわや扇子などもあったらいいと思います。かさばるものではないので、わかりやすい場所においておきましょう。濡らしたタオルを首にかけ、うちわなどで風を送るだけでも結構涼しいです。充電式の携帯用扇風機なども心強いですね。
犬たちは人よりも遥かに早く体温が上がるので、ぜひ全身を濡らしていただき、冷していただきたいと思います。猫は濡らされるのを嫌がるとは思いますので、無理はせずに。
また魚やヘビ、カエルや小鳥たちエキゾチックアニマル全般は、温度管理がとにかくデリケートです。停電に備えて発電機などの非常用電源を確保しておいたほうがいいと思います。大袈裟かもしれませんが、地震のとき電気が止まり長時間水槽の温度管理ができなかったために、中にいた魚が全て亡くなったという恐ろしい話も聞いたことがあります。
人の備えはもちろんのこと、一緒に暮らしている動物たちに対してもどうか緊急のシュミレーションを行い、備えをしていただければと思います。
避難所に関してや備えるべき物品などは過去のコラム 「動物たちの避難準備」を参考にしていだければと思います。
さて、先日少し驚いた出来事があったので、お話しておきたいと思います。
当時、診察が少し立てこんでいて、飼い主さんを何人かお待たせしていました。また診察を終えた飼い主さんの中に足の悪い方がいた関係で待合室で看護師が会計をさせていただいており、診察室では私がまた別の具合の悪い子の診察をしておりました。飼い主さんがすこし耳が遠い方だったのもあり、いつもより大きめの声で対応していました。かなり通常よりも騒がしくなっていたと思います。
このとき、新たに注文されていたフードの受け取りと精算にだけいらした方がいらっしゃったのですが、飼い主さんは病院が混んでいることと我々が対応に追われていることを気にされたそうで、会計を焦らせるのも申し訳ないと先にお渡ししたフードをだけを持ってそのままご帰宅されたのです。
スタッフに声をかけようかと思われたそうですが、皆が忙しそうにしていたので申し訳なく、定期的に購入しているから、次回の時にまとめて精算すればよいとご配慮くださったとのことでした。
ジャンボどうぶつ病院に来てくださる飼い主さんたちは、病院の中の様子がよく見えるぶん、細やかなお気遣いや配慮をしてくださることが本当に多く、私もスタッフもその優しさに大変助けられております。その気持ちに応えたいとより頑張るエネルギーになっているのです。仕事を終えて1日の反省をする時に、本当に恵まれているよね、としみじみ話しています。
ただ、今回のようなケースの場合、お気遣いは大変ありがたいのですが、一言お声がけいただきたいのです。
待っている時間がない、急いでいるなど、当然ご都合があると思います、どうぞ遠慮なくお声がけ頂きたいのです。
我々はそれこそ中でバタバタと対応に追われているため、ご配慮頂いたとしてもお声がけ頂いていないと何が起きたのかを把握することができません。
せっかくのお気持ちを受け取ることができず、あとから歯がゆく思うことになります。
緊急の場合などきっと声をかけづらいだろうな、と思いますが、スタッフが誰か受付にいれば遠慮なく声をかけてください。また診察中の私が対応することは難しいこともありますが、それでもこちらにアイコンタクトを取っていただければリアクションができます。
せっかくのご厚意を無にしないために、どうぞよろしくお願いします。
また、逆に緊急で来院される際、事前にお電話で連絡いただけるとこちらは大変助かるのですが、そんな余裕もなく飛び込んでいらっしゃるときは、これもまた緊急の旨をすぐに受付に声をかけて伝えてください。
病院業務というのはあくまで待ちのスタイルで、こちらから、様子はどうですか?と飼い主さんのお家に突撃することはできません。
飼い主さんたちが見つけた異常事態や動物たちからのSOSを過不足なくこちらに伝えていただいて初めて診察になります。
これは結構歯がゆいものなのですが、病院という性質上しかたのないものだと思っております。
視点を変えればこちらから情報発信できるのはこのコラムくらいのため、どうしてもコラムにも力が入ります。読んでいただいた方の何かのプラスに、目から鱗に、気付きに、なればいいな、と思って原稿に取り組んでいます。
ちなみにこのコラムは全て院長が書いており、代筆などは行っておりません。たまに聞かれることがあるので、何度目かになりますが一応お伝えしておきますね。
繰り返しになりますが、うちの病院はコミュケーションをたくさん飼い主さんたちと取る、というのがスタイルです。
どうか遠慮なく、気になることがあれば声をかけてください。
お時間はかかるかも知れませんが、必ずお答えします。
2023-08-15
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