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熱中症の始まる季節
熱中症の始まる季節

すっかり新緑の美しい葉桜の季節がやってきました。

とはいえ春なので、ハナミズキや小手鞠、菜の花といった色とりどりの花々が目にやさしい季節を彩っています。秋の色合いとは異なる、優しく穏やかで、それでいて心が踊るような色あざやかな春の贈り物を十分に楽しみたいところです。

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さて世間はゴールデンウィークに入りました。お出かけ日和の続くこの時期は、動物たちも人々も熱中症が始まるタイミングと言えます。真夏と違い、思ったよりも真昼に外に出られてしまうのがなんとも大変なのがこの季節。暑さや強い紫外線に体が慣れていないので、あっという間に脱水を起こしてしまうことも多いのです。

潮干狩りなどで海に行かれる方も多いとは思いますが、今一度、熱中症警戒対策を確認しましょう。

  • 1日の高い間(最低でも12時から14時くらい)は無理に外出させない。
  • 2水分と休憩をしっかりとこまめに取る。
  • 3車の中などに動物を置いて置くときは、窓を開けるのではなく、エンジンを切らず空調を入れたままにする。
  • 4キャリーバッグなどに空調設備が付いていない場合は、中は高温になりやすいため、保冷剤、ハンドクーラー、氷などでしっかりと冷やすようにする。(ただし冷やしすぎ注意)
  • 5猫やエキゾチックアニマルは、外出に慣れていない場合、急に長時間お出かけするのはお勧めしません。お出かけの予定がある場合は、十分程度の外出を繰り返し練習して臨みましょう。
  • 6GWなどはお休みの病院も多いため、常備薬や常用薬、フードなどは事前に受け取っておきましょう。
  • 7外出先が決まっている場合は、その地域の緊急動物病院をきちんと調べ、今までに行った検査データや保険証、また常用しているお薬などをすぐに見せられるようにしましょう。
  • 8呼吸が荒いまま長時間経過し、ぐったりとしてきたり、舌の色が青や紫、白っぽく見えたり、呼びかけに反応が鈍くなったりした場合は、様子を見ずにすぐに病院へ連れて行きましょう。熱中症は一刻を争う病気です。おかしいと思ったら即座に行動に移しましょう。

これはざっと挙げただけですが、以前にも熱中症対策を取り上げたコラムがありますので、そちらも含めて参考にされてください。

6月も熱中症にご注意を

当院のメンバー ベルについて
当院のメンバー ベルについて

お話は変わって、当院のもう一頭のメンバーであるレオンベルガーのベルが、今年の一月に右前足を断脚しました。

骨肉腫という骨の癌で、肩関節から丸々一本の足を取る手術をしました。

骨肉腫は予後のあまり良くない悪性の癌です。

見つけた時点で転移をしている場合も多く、手術に間に合わないこともしばしばあります。

強い痛みが生じ、通常の痛み止めが効果を示さず、痛みの緩和のために放射線照射やフェンタニルのような麻薬などを使用することもしばしばあります。

大型犬に多く発生し、始まりはかすかな跛行程度のため、見つかりづらい癌です。

基本的には患肢の断脚、初期の場合は骨の部分切除で対応します。

また断脚が間に合わない症例では、カルボプラチンやアドリアマイシンを主とした抗がん剤やまだ治験レベルのピラルビシンなどによる治療が行われています。

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ベルに関しては少し経過が普通と異なり、2年前に足首の骨の腫脹が見つかってから経過を追ってきたのですが、昨年末に悪性転化が認められ、手術となりました。

三本足での歩行では階段の上り下りなどはもう難しいかと思っていたのですが、こちらの心配はなんのその、自宅に帰った当日から階段を駆け上がり、降りるのも数回試してからはスムーズにできるようになりました。挙句は後ろ二本足で立ち上がることもでき、その運動能力の高さに感動してしまいました。

好きだった散歩に長い時間出かけられないのですが、初動は素早く逃げ出すと捕まえられないほどです。

元から病院が苦手で、あまり下に降りてこないのですが、現在は抗がん剤を継続して使用しているので、定期的に病院で過ごしています。

見た目が大きく顔も黒いブラックマスクが特徴の犬種のため、怖がられることも多いのですが、とても穏やかで優しい女の子です。 病院で姿を見たらどうぞ応援してあげてください。

2024-04-30

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