少し遅い挨拶で恐縮ですが、2023年、あけましておめでとうございます。
師走の忙しなさに翻弄され、気がつけば新年を迎えはや半月。おせちの残りとお餅の消費もひと段落し、お飾りもしまって鏡開きも済ませ、ようやくお正月気分が抜けてきたように思います。
みなさんは年末年始をゆっくりと過ごされたでしょうか?
ご家族もどうぶつたちもお穏やかに過ごされていることを心から祈ります。
すでにご家族がインフルエンザで倒れられたとか、胃腸炎で一家全滅したとか、転んで骨折してしまったとか、コロナに感染して引きこもった、コロナでもインフルエンザでもないけれどとにかくひどい風邪をひいてまだ声が出ない、などのお話を聞いて戦々恐々としていますが……。
今年一年もどうぶつたちもご家族も元気で健やかに過ごせるように、ジャンボどうぶつ病院スタッフ一同、皆でサポートして行きますので、頑張りましょう。
さて、一年で最も寒くなる時期です。アレルギー性皮膚炎が一番出ずらい時期のはずなのですが、なぜか今年に関しては痒みが出る子が多く、暖冬の影響かな?と思っています。
春本番に備え油断はできません。
また乾燥による呼吸器の症状は例年通り増えています。喘息や気管虚脱、気管軟化症などが持病としてある子たちは注意が必要です。
咳は以前にもお話ししたように、すればするだけ気管粘膜が傷つき、咳が出やすい状況になります。
くり返せば気管自体が腫れ、ちょっとした刺激で止まらない咳になったり、犬種や猫種によっては呼吸自体ができなくなったりします。
咳の症状が出たら早めに止める努力をする必要があるので、あまり様子は見ない方がいいでしょう。
また咳のような症状を見つけたらすかさず動画を撮っていただくことをお勧めしています。実は咳ではなかったりすることもよくあるからです。
動画サイトなどに上がっている症状も咳ではないのに咳だと撮影されていたりするものもあり、呼吸器の症状は犬猫ともに判断しづらいのがよくわかります。
かといってタイミングよく診察中に咳をしてくれるかどうかは一種の賭けなので、何かおかしい、と思ったらその状態を動画で残しましょう。
年明け、ヨークシャーテリアの飼い主様が、年末からどこか痛いような様子で固まるのだと、様子を動画で撮影してくださいました。
この子は小さな頃から病院に来ているのですが、今までこういった症状が出たことはなく、またそれが一回では済まず繰り返す様子を見て、飼い主様がおかしく思って動画を撮ってくださったのです。
実は常日頃から『なにかおかしいと思ったら、それが口で説明しづらい様子ならなおさら動画を撮ってほしい』と口を酸っぱくして言ってあったおかげで、撮影しなきゃ!と思われたのだそう。
「痛そうにしてるのに、こんなふうに撮影しちゃってていいのかしらって思ったんだけど……」
とおっしゃっていたのですが、実際はこの動画が決め手になって診断ができました。
おかげで早期に治療を開始することができ、経過も良好です。
診察している間は全くその様子は見られませんでしたので、飼い主さんが撮影してくれなければきっと診断はもっと遅くなり、症状も強くなってしまったかもしれません。
飼い主さんが様子のおかしい姿を撮影するのに抵抗があるのはよくわかります。
苦しそうにしているのにこんなことしていいの?なにかもっと助けてあげることはないの?と思われると思います。
例えば喉にフードやお菓子が詰まってしまっていたら、それはすぐにでも吐き出させなければなりませんし、吐いていたら、下痢していたら、その対処をしなければなりません。
ただ、咳やくしゃみ、しゃっくり、言葉にしにくいけれどおかしな様子があった時、またそれが短い時間で治ってしまう場合、特別な何かの対応を飼い主さんがすることは難しいです。逆にその様子を動画で記録していただくことで、正確で早い診断につなげることが出来ます。
発作などは5分以内の短い症状であることが多く、咳やくしゃみなどは単発では動画に撮ること自体も難しいでしょう。
ただ治療の必要があるほどの異常性がある場合は、症状は繰り返し起こりますし、頻発するので、冷静に次のタイミングを待つことが出来ます。
「なんだか変だな?」と思ったらスマホを構える、というのを徹底していただけると、とても強力な診断材料を得ることができるかもしれません。
咳などだけでなくても、便や尿、嘔吐物など病院に持って来づらいものも撮影していただけると、とっても診察に役立ちます。
文明の利器をうまく使い、ぜひ役立ててください。
さて今年一年は少しせわしない年になる予定です。
診察時間の変更など、診療に影響がある場合は早め早めにご連絡できるように告知して参りますので、どうぞよろしくお願いします。
本年もどうぞよろしくお願いします。
2023-01-18
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