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危険な症状
危険な症状

夏の名残が徐々に消え、夕方吹く風には秋の匂いがそっと忍びこんでくるようになりました。

昼間かなり強い日差しをかんじても、日が落ちるにつれて不思議の涼やかな気配が強くなるのが不思議です。

そして気がつけばなんと十月!今年もあと三カ月しか残っておりません!!

毎年このくらいの時期になると、時の流れの速さに慄くのですが、その慄くタイミングですら年々早くなる気がします。

高齢の子のお腹の症状は早めに受診を
高齢の子のお腹の症状は早めに受診を

さて、季節の変わり目には体調を崩しやすくなりますが、現在流行しているのはお腹の症状です。

少しゆるくなったり戻したり、というのが短期間、おおよそ3日ほどつづくことが多いようです。自然回復する場合もありますが、こじらせてしまうことも多いです。

特に老齢期では嘔吐や下痢は体力的にも負担が大きく、状態が酷くなってしまうことが多いので、早めの受診をお勧めします。

尿が出ないと命にかかわります
尿が出ないと命にかかわります

また尿関係の病気も増えています。

もとから尿石症などの既往症があると、気温が下がり飲む水の量が減るこの時期は、尿の濃度が濃くなって症状がでやすくなります。

先日も男の子の猫が、尿閉をおこして入院しました。

尿閉というのは尿道が詰まっておしっこが外に出せなくなってしまう症状です。

尿を外に出せないと、膀胱の中に溜まり続け中の圧力を上昇させます。膀胱内の圧力が通常のレベルを超えると、腎臓から尿を膀胱に流し込む通路である尿管にも圧力がかかり、最終的に腎臓にも圧力がかかります。

イメージ的にはもう膨らめない水風船にむりに水を流し込んでいる感じになります。水風船は破裂しますが、膀胱は破裂できず、中の圧力をダイレクトに腎臓へ伝えるようになるのです。腎臓も破裂できませんが、中の細胞は破壊され腎不全になってしまうのです。

よって全く出なくなると二日で急性腎不全を起こし死亡します。

ちょろちょろと少し出ていたとしても、じわじわと腎臓にはダメージが蓄積され、腎不全を起こします。詰まり方によって亡くなるまでの時間は変わりますが、とにかく出が悪くなったらすぐに病院に行くべきです。

尿の症状がある時はすぐに病院へ
尿の症状がある時はすぐに病院へ

不思議とお話をうかがっていると、便が出ないことを気にする飼い主さんは多いのですが、尿の出方に注視している方は少なく、聞くとあいまいな答えしか返ってこない場合があります。尿よりも便の方が視認しやすいというのもあると思います。

便は食べたものにより出方も形も色も変わります。勿論、イチゴジャムのような血便などは心配ですが、出ないことは余り心配しなくても大丈夫です。前後の食べたものや食欲を考えて判断しましょう。

二週間も出ていないとなったら問題ですが。

尿のほうが出ないことで危険な場合は多く、色、におい、量ともにチェックして頂きたいです。

猫砂を使ったトイレでは、固まりの大きさなどで凡その量を想定できますが、観察の難易度は高いです。砂の種類によっては、色が変わってしまったりして、かなりひどい血尿が出てくれないと気づけないことがあります。

できれば砂ではなく、トレイに尿が落ちるようなタイプのトイレをお勧めしたいところです。

お散歩中にお外で排泄するワンちゃんは、尿の色が分かりづらいことも多いです。変だな?とおもったら水で流す前に、ペットシーツなどにしみ込ませて色を確認して見てもいいと思います。

またお仕事などで、ずっと家にいて猫ちゃんやワンちゃんを見ていられないという場合も多いですね。

現代では技術が進み、ペットカメラや、catlogのような行動モニターをする首輪なども開発されています。

ご自身がそばにいられない事を補ってくれる便利アイテム、上手に利用してみてくださいね。

2019-09-30

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