動物病院HOME < 院長のコラム < 春の健康診断キャンペーン
街を歩けば、吹き付ける風にいっそうの寒さが身にしみます。
さすがに最も寒い季節、各地方の豪雪や吹雪のニュースでは、その地域に住む皆様の生活が心配になるほどの雪模様にこちらもそわそわしてしまいます。
北国の友人たちが、家を出たら吹雪いていて遭難しそうだといっていたのですが、冗談にできないほどの雪の降り方に画面越しに心配になりました。
どうか大きな被害などが出ませんように。
都心では降雪が5センチでも都市機能が麻痺しますので、雪の予報はかなり生活の質を左右しますね。
昨今では早めに電車を止めたり、高速道路に規制をかけて被害を防ぐ工夫がそこかしこで見られます。
事故が起きてからより起きる前に防ぐ方がずっと効率的で安心ですね。
そうはいうもののエッセンシャルワーカーの皆様は基本的に出勤を余儀無くされていらっしゃるので、どうか怪我のないように事故のないようにと願うばかりです。
さて先日モンスター毛玉との格闘について熱く語りましたが、嬉しいことに猫の飼い主さんたちに「コラム読みました!毛玉にしないように頑張ってブラッシングし始めました!」といっていただけました。
モンスター毛玉に関しても「自分で取れるところは頑張りたい!」という意見をいただいたので、モンスター毛玉とりの動画を撮影しました。是非参考にされてください。
ここで取り除いているモンスター毛玉はまだ可愛いもので、敵としては小ボス程度でしょうか。ゲームを全くしないので割と感覚でお話ししていますが。
小ボス程度であっても、このくらい地道な処置が必要になることを体感していただけると嬉しいです。
これが数限りなく体にぶら下がり一枚板となって大挙してくることを考えていただけると、モンスター毛玉がいかに厄介で難敵であるかが伝わると思います。
ですが敵がいかに難攻不落であっても、地道に少しずつプローチしていけば倒すことはできます。
何回かに分けてでもケアができる猫ちゃんは諦めずにチャレンジしてみてくださいね。
話は変わって、三月からは健康診断キャンペーンが始まります。
この時期は通常よりもお安く検査をすることができますので、ぜひご利用ください。
全血球検査、一般生化学検査を始め炎症マーカー、糖尿病マーカー、ホルモン検査、腎臓機能検査等の血液検査を始め、主に心臓の動きを確認する胸部超音波検査、お腹の中の臓器の形を確認する腹部の超音波検査、気管支や肺の状態、心臓の大きさを確認する胸部レントゲン検査、内臓の位置関係や骨の状態を確認する腹部や四肢のレントゲン検査、腎臓のリズムや電気的な動きを確認する心電図検査、
腎機能やオシッコに異常がないかどうかを検査する尿検査、腸内環境や寄生虫の感染がないかどうかの確認をする糞便検査、高齢になると上昇しやすい目の眼房水の状態を確認する眼圧検査、特定のホルモン病を確定するための特殊検査などをすることができます。
シニアパックはすべてまとめて調べる検査です。 ジュニア・アダルトパックは、若くてまだ甲状腺ホルモンの問題が考えづらい場合にお勧めするものです。 シンプルパックは、フィラリア検査だけは院内で行い、すぐにお薬を処方してほしい、といった方向けです。
シニアパックは高齢期の猫ちゃん用、ジュニア・アダルトパックは若い猫ちゃん用です。
更に詳しく調べたい場合は 以下の検査を追加することもできます。
人間ドックと同じで検査というのは今現在、元気で自覚する異常がないと、憂鬱でしかないものであります。
ただ例年数頭の子達はその憂鬱さを乗り越えて検査するたびに、まだ隠されていた異常を見つけて早い段階での処置ができることが多いのです。
また複数の検査を組み合わせることで、体の状態を知る精度が上がります。
一般的にスクリーニング検査、主に大まかに体の状態を知りたい場合、血液検査を受けられることが多いのですが、肝臓の血液マーカーの上昇がみられ、それ以外に異常がなかったワンちゃんの腹部の超音波検査をしたところ、腎臓の腫瘍が見つかったことや、血液検査で胆のうの異常が示唆されたワンちゃんの腹部超音波検査で、胆のうの異常だけではなく、脾臓の腫瘍が見つかったということは珍しくありません。
また健診で来ていただいた時に心雑音が聴取され、そのまま心臓の精査が必要になったりすることもあります。
お家では気がつかなかった体表腫瘍を見つけたり、去年には小さかったできものが大きくなっていて調べたらがん化していたり、実はかさぶただと思っていたらその下に脆弱な腫瘍が隠されたいたり。
人間でも自分自身の異常は自覚しづらいものです。
それがましてやどうぶつたちでは異常を知覚しても言葉にして伝えるすべがありません。猫ちゃんもワンちゃんもハムスターやうさぎさんも「自分がおかしいです」と教えることはできないのです。
必然的に飼い主さんたちが見てわかるほどの異常まで出てから初めて、動物病院へ向かうことになります。それでは手遅れになっても全くおかしくないのです。
「こんなに急におかしくなるんですか?」
動物病院で一番よくきく言葉かもしれません。
飼い主さんたちは皆、信じられない結果を突きつけられ、驚き混乱し、怒り苦しんで、動揺に全身を震わせながら絞り出すようにこの言葉を吐き出します。
信じたくない、何かの間違いだ、嘘だ、そんなはずはない、そう言いたい気持ちが表情からつたわり、こちらの胸が苦しくなります。
よくない結果が出たとき、誰だって動揺します。
信じたくない気持ちと、もしかしてあの時にはもうおかしかった?と過去の記憶をフルスピードで辿って、その病気の片鱗を捕まえようと必死になります。
あれをしたから?これをしなかったから?
もっと早く気がつけた?
どうしてわからなかったんだろう。
どうして?
混乱と動揺は悲しみとともに怒りに変わり、瞬間的に感情的になってしまったり、ご自身やご家族を責めてしまうこともあります。
ですが、ここで強く言いたいのは、今見つけたのであればそれが現状の最速である、ということなのです。
ほとんどの場合、病気の気配は瑣末すぎて、普通の方の記憶に引っかかることもありません。
そしてたまたま引っかかるポイントを見つけられたとしても、それは過去の時点のことで、今からどうすることもできないのです。
今、見つけたのであれば、それが最も早い処置ができる時間です。
今の状態でできることのベストを尽くす以外、するべきことはないのです。
ご自身を責めたり周りを責めるのではなく、前に進むためのパワーに全てをかえて治療に進んでいただけるように、当院ではサポートをしています。
ですが、早期に見つかっていれば、もっと簡単な手術で、もっと簡単な治療で、もっと苦痛が少なく根治できたり、安定状態に持って行けたかもしれない。
あと一ヶ月、あと一週間、あと数日早かったら。
そんなifの世界を医療従事者であれば、考えなかったことはないのではないでしょうか。
飼い主さん以上に、我々はそうやって後悔を抱えていきます。
ですから、こういった悲しい事例が増えないように、こうやって健康診断をお勧めすることに注力します。
動物たちは時間軸の違う世界に生きています。
犬猫であれば、一年で人の四倍歳をとります。ですからせめて年に一回の健康診断は行っていただきたいと思います。
何を受けたらいいのかわからないのですが、ということであれば、
まずは血液検査を。
7歳未満はアダルトパック、7歳以上はシニアパック、11歳以上ならばシニアパックにプラスして腹部超音波検査、胸部レントゲン検査、眼圧検査を加えて行きましょう。
もしくは「予算はこれだけなんですが、これでできる限りしてほしい!」というご希望も大歓迎です。
その場合はこちらで適切と思われる検査を組み合わせて提示させていただきます。
毎年健康診断のお知らせをするたびに、少しでも「こんなに急に…」という悲鳴を聞くことがないように、と願いながら文面を打ちます。
そうして今から受ける検査に異常が出ることがなるべく少ないようにとも願います。
見つかるのであればなるべく初期で、治療ができる状態で見つかりますように。
悲しい思いをする飼い主さんと動物たちが、減りますように。
全くの蛇足で申し訳ないのですが、ちょっとお知らせをさせてください。
基本的にフードのご注文、お薬のご注文などは発注時にご精算をお願いしていますが、これは診療明細書の再発行などの書類関係でも同じです。
ご希望の場合は来院していただき、ご依頼と精算していただいてから、準備をさせていただきます。
お電話でのご依頼は受け付けていませんのでご了承ください。
残念なことに非常に時間のかかる書類作成をお電話で依頼され、かなり長い時間をかけて作り上げて来院をお待ちしたのですがいらっしゃらない、といったことがありましてこの方法に統一することになりました。ご配慮いただければと思います。
また時間外の診療受付は時間外料金が別途かかります。これは人の病院などでも同じですね。たいていの病院は診療受付自体は飼い主様が来院された時点で行うため、お電話で事前にご連絡をいただいたとしてもその時点では受付完了とはなっておりません。
これは先ほどの書類のお話とかぶるのですが、お電話をいただいていて準備を整えスタッフとみんなで待っていても、一向にいらっしゃらない、ということが普通にあるからです。悲しいお話ですが、他院でも同じようなお話をちらほらとお聞きします。
ですので実際にどうぶつたちが病院にいらした時点で受付が始まるとご理解いただきたいと思います。
改めましてジャンボどうぶつ病院の受付時間は、午前は9時から11時半、午後は3時半から6時までとなっております。
今一度ご確認いただけたら幸いです。
2022-02-28
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