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梅雨の熱中症に要注意
梅雨の熱中症に要注意

梅雨入りした日本列島のおかげで、ジャンボどうぶつ病院ではカビが悪さをするタイプの症例が増えています。

このむしむしとした保湿たっぷりの空気、ほのかな体温と、肌から分泌される脂質や水分が菌やカビの繁殖に絶好な状況を作り上げてしまいます。

垂れ耳や肌に皺壁(すうへき 注:線状に盛り上がったしわ)がある子たちにとっては、最悪なコンディションですね。

二日前は平気だったのに今朝になったらいきなり耳が真っ赤になってました!という高速悪化の症例が後を絶ちません。

ただこれも季節がら仕方ないこと、毎年繰り返される悲劇です。日本から梅雨が消滅しない限りは、同じことが起きてしまうのかなあと思っています。

今年初めての熱中症症例
今年初めての熱中症症例

また、今年初めての熱中症症例がやってきました。

少し変則的な起き方でしたが、

フードを喉に詰まらせた→長い時間咳き込んだ→結果的に喉が腫れてしまった→呼吸困難になった→

体温が上昇、パンティング呼吸が激しくなる→胃に大量の呼気が滞留する胃拡張を引き起こす

→胃拡張は改善するも、嘔吐が発生→誤嚥性肺炎をおこす→呼吸困難により、さらに体温が上昇、食欲廃絶、元気消失

という、複合的に危険な状態に陥ってしまったケースです。

このお家では気温がそれほど高くないこともあってまだ空調はあまり使っておらず、体温が上昇しやすい状況が整っていました。

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実は今のような梅雨の時期は、夏本番よりも熱中症症状が多い時期です。

これは一つは飼い主さんによって気温の体感が異なり、冷房や除湿を稼働させているお家と、そうではないお家があるためだと思います。

夏本番の外気温35度などの状況では、ほとんどのお家で冷房が使用されます。ですが今のように、夕方になると少し気温が下がったり、雨の時は肌寒く感じたりする微妙に調整が難しい季節では、冷房の稼働がまちまちで、運が悪いと体温まで高くなってしまうのです。

また気温がさほど高くないのに対して湿度は高く、基本的に我々のように汗ではなく、呼吸による蒸散で体温調節をしている動物達にとっては、換気効率が悪いということもあります。たくさん呼吸をしてもあまり体温が下がらないわけですね。

またお散歩の時間も、早い時間帯にずらしている飼い主さんがいる一方で、春とあまり変わらない時間帯、昼の時間などに散歩をされている方も多く見受けられます。

この場合も思っている以上に体温が上がりやすくなる条件がそろっている訳です。

そして対して暑くないせいで、水分補給も少ないことがあります。

もとからあまり水を飲まないタイプの子達は、知らずに脱水していことも悪条件になっている原因でしょう。

ですので、今の時期こそ熱中症に注意が必要です。

これは実際人間もいえることだと思います。意識して水分をとることは人も動物達も意識して欲しいと思います。

コロナワクチンを接種しました
コロナワクチンを接種しました

さて、先日コロナワクチンの一回目の接種を受けてきました。

これから接種するんです、という飼い主さん達も多かったので、何かの参考になればと接種前後の様子を記載します。

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接種当日、スタッフ全員で昼休みの時間を利用し大規模接種会場へと赴きました。

前日から水分を多くとるように厳命(?)していたので、皆ちゃんと水分をとっていました。そして飲み物も持参する徹底ぶり。

オリンピックの関係者駐車場に仮設された施設ということで接種後の待機はバスの中という変則性。

予約者のみの接種会場ですが、非常に多くの方が接種に訪れていました。予診表を含めた書類確認や問診などを経て、接種自体はスムーズでした。

問診をされるお医者さん達が本当に疲れた顔をしていらして、激務なんだろうなと心中お察ししてしまいました。

接種をして下さった看護師さんは、「ワクチンの品質維持のために会場の気温が低くなっているんです」と教えてくれました。

ノースリーブでいかれる時は上着をおもちになった方が良いと思います。確かに結構仮設のプレハブ施設の割に冷房がめちゃくちゃ効いていました。

あの中でつぎつぎに接種されている看護師さんも、その周りで次々にデータ確認や資料確認をされている皆さんも、本当に大変だと思います。

一度目の接種でも副反応が!
一度目の接種でも副反応が!

さて、一度目の接種ということで、そこまでの副反応は出ないだろうと思っていたのですが、これがそんなこともなく……。

接種した直後から喉の腫れと熱さ、痒み、舌の腫れを感じ、十五分の待機時間の間かなり緊張することになりました。

このまま喉頭浮腫でも起こしたらどうしよう、どのタイミングで看護師さんにいえばいいんだろう、いやこのまま収まってくれ、頼む!!

必死で祈ったかいがあったのか、十分ほどで喉の腫れは引いていき、やや気持ち悪さもありましたが、しばらくすると落ち着いてきました。

待機時間が終わり、地下鉄の駅に向かう時にはどっと疲れがでてきました。おそらく妙な緊張と慣れない場所の雰囲気に疲れたのだと思います。

結局受け付けの列に並んでから、外に出るまで一時間以上かかかりました。

帰りの電車の中で徐々に痛みを増す腕、しかし病院で午後からの診察をするまではさほどではありませんでした。

ところが接種から二時間が経った当たりから一気に痛みの度合いが上昇。

なんと頸の辺りから左の耳、左の頭部まで腫れぼったく軽くしびれているような感じに。最終的に左半身全体も同じようなびりびりが…。

左の頭だけ頭痛が始まり、倦怠感が一気に増し、軽く発熱しているような妙にハイな気持ちになりました。

腕の痛みはまさに筋肉痛で、『あれ、私昨日筋トレしたっけ?』という幸せな誤解をしそうなほどいかにもな痛みです。

夜になると痛みはどんどん増し、気だるさも凄まじくここでアセトアミノフェンを服用。

それでもなんだかぼうっとした状態で、一晩中寝付きが悪い夜になりました。

翌日は37度5分前後の発熱が続きました。

アセトアミノフェンをなんとか食べたご飯のあと流し込みます。食欲がない、というよりも何より体を動かすのが億劫でベッドから起き上がれません。

絶対にこうなると思っていたので、枕元にイオン飲料水とノンカフェインのお茶のペットボトルを三本用意し、ひたすら飲むようにしていました。

午前中を布団の虫として過ごして、午後三時頃、接種から二十四時間ほどで倦怠感が少し抜けたように思ったのですが、夜になるに従い再びの倦怠感と発熱、そして筋肉痛の痛みにベッドに逆戻り。

明日、仕事ができるのかしら…とかなり不安を抱きつつひたすら布団で安静に。結局この日は三回アセトアミノフェンを服用しました。

接種から二日目、倦怠感はやや残るものの発熱は大分収まり、出勤。

驚いたことに午前中は痛みが結構残り腕を上げるのもままならなかった筋肉痛ですが、ちょうど接種から丸二日経った当たりから痛みが引きはじめ、動かすのに支障がなくなりました。

そこからは全くなんの支障もなく生活できています。

ここでいくつかお伝えしなければならないのですが、私はワクチン接種の数日前まで酷い外耳炎で薬を服用していました。そして前日はもろもろの仕事があって完全に睡眠不足の状態で接種することになりました。これはあまりワクチンに適したコンディションとはいえず、そりゃあ副反応も出るよな、と反省。

これから接種される皆さんは前後にきちんとお休みを取っていただきたいと思います。

また接種当日、我々のように多少無理すると動けるかもしれませんが時間経過により、あ、これ動かない方がいいぞ、マズいぞ、となる可能性があります。

当日もできれば接種後はお休みをとられた方がいいと思います。

接種日前後にはお休みを
接種日前後にはお休みを

私以外のスタッフは接種直後から腕が上がらないほど痛くなり、発熱こそないものの筋肉痛のみ顕著に出たケース、接種直後から痛みが強く、倦怠感も少し出たけれど熱は出なかったケース、接種しても痛みが当日は全く出なかったケース、当日だけでなく翌日も全く痛くなかったケースなどまちまちでした。

女性の方が症状が出やすく、また若年層、中年層の方が副反応が出やすいともいわれていますね。

接種後の副反応の出方は皆それぞれに違うので、打ってみなければどのくらい影響が出るのか分かりません。

ただ私のように一回目の接種にも関わらず、強めに症状が出る場合もありますので、あまり楽観的に考えず、ゆっくりと休むことができるように仕事などを調整した方がいいと思います。無理、絶対ダメ。安静にしていれば大体丸二日で引いてくるようですので、少しの辛抱です。

副反応が出ているということは、きちんとワクチンが接種され免疫反応が起こっているということ。

だるさや痛みなどはあくまで一過性のものなので、「この日は特別休暇だな!」と思うくらいの気持ちで、接種の翌日は安静にして下さいね。

来月には二回目の接種が予定されています。

我々が打ったのはモデルナ社製のmRNAワクチンなので、四週間後以降にうつことになります。

二回目はより強く副反応が出ると聞いているので、今からしっかり備えて休みを計画しなければと思っております。

動物病院は不特定多数と密接に会話を行う場所です。もちろんマスクは装着していますが、感染リスクはそれなりに高いと考えています。

我々が感染し、飼い主様達にうつす危険性を少しでも下げるための接種ということで、ご理解いただけましたら幸いです。

接種日が決まり次第また臨時休診等のお知らせを出しますので、ご迷惑をおかけしますがどうぞよろしくお願いします。

2021-06-30

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