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狂犬病ワクチンQ&A
狂犬病ワクチンQ&A

梅雨半ばにして、晴れ間もあり、夏へのカウントダウンを感じますね。

最近来院される飼い主樣方が、一様に額の汗を拭いながら入ってらっしゃるので、病院の空調は少し寒いくらいにしています。

お散歩の時間も、そろそろ午前の早い時間帯か、夜遅めにしないといけない時期になってきましたね。

また、室内の環境も除湿やサーキュレーターによって、空気の移動を作って頂きたいですね。 冷房をかけていらっしゃる方も多いと思いますが、これら空調はこれからの時期必須になって来るかと思います。

案外、乾燥してしまうので、飲み水はいつも以上に気をつけて配置して下さいね。

さて、このところ狂犬病のワクチンに関して、問い合わせを頂いたので、実際にあった質問形式でお答えしていきたいと思います。

狂犬病ワクチンって、ただですよね?/狂犬病のワクチンを接種するのに、なんで料金が取られるの?

狂犬病ワクチンも他のワクチンと同じく、料金がかかります。

狂犬病ワクチンは国で定められたワクチンですが、国からの補助はなく、人間の特定のワクチンのように、全額支給されるようなことはありません。

但し、全国一律の料金になっており、3100円です。これ以外に登録料が550円かかります。

またこれらには消費税がかかりません。

よってジャンボどうぶつ病院では、明細書を狂犬病のものと、一般診察のものとお分けして渡しています。

狂犬病ワクチンって、保健所に行けばいつでも打ってくれるのよね?

狂犬病ワクチンは、四月の集合接種以外では基本的に保健所で接種は行っていません。

荒川区の場合、各動物病院が狂犬病接種に関して委託されている形になっているので、動物病院での接種を行って下さい。

保健所に行けば、狂犬病ワクチンの割引してくれるんでしょ?

先にも書きましたが、狂犬病ワクチンの値段は基本的に全国一律です。

保健所で割引はありません。接種も集合注射の限られた日にち以外、行っていません。

また集合注射でかかる料金も、動物病院で受ける場合も、ワクチンの値段は変わりません。

狂犬病って日本にないから、近所の人に聞いたら打たなくていいって言われましたけど?/小型犬は打たなくていいと聞いたんですが?

狂犬病はラブドウイルスによるもので、人も犬などの動物も発症すればほぼ100%死亡する恐ろしい感染症です。

戦前、日本でも狂犬病はごく当たり前にありました。そこから多くの犠牲をへて、ワクチン接種に尽力したおかげで、日本国内では、人は昭和31年(1956年)を最後に発生がありません。また、動物では昭和32年(1957年)の猫での発生を最後に発生がありません。現在、日本は狂犬病の発生のない国です。

なお、輸入感染事例としては、狂犬病流行国で犬に咬まれ帰国後に発症した事例が、昭和45年(1970年)にネパールからの帰国者で1例、平成18年(2006年)にフィリピンからの帰国者で2例あります。

けれども、世界保健機構(WHO)の推計によると、世界では年間におおよそ5万5千人の人が亡くなっています。また、このうち3万人以上はアジア地域での死亡者と言われています。

日本以外に狂犬病がない国は、英国、アイルランド、アイスランド、スウェーデン、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランドしかありません。

つまり、海外ではほとんどの国で感染する可能性のある病気です。

という事は、いつ狂犬病が日本国内に入ってきてもおかしくありません。

狂犬病ワクチン接種が義務づけられているのは、万が一の時に備えての事です。国内に一度蔓延した場合、日常的に狂犬病の発生が見られるようになる、諸外国と同じ状況になります。

人の命も脅かされる状況を、安易に作り出す事はないと思います。

また小型犬であろうが、大型犬であろうが、感染するリスクは同じです。

インターネットやご近所の方のお話は参考になる場合も多いですが、病気の実際の場合は動物病院できちんとお話を聞いてみて下さい。

狂犬病ワクチンだけ打って欲しいので、診察やカルテ登録はしないで欲しい。

人間と同じで、ワクチンは動物の健康状態が良い、という事が前提条件で接種するものです。 動物病院で接種する場合、当然診察が必要になります。

またワクチンを打つ、という医療行為ですので、カルテにきちんと記載し、その時の体重や体温、心拍数や健康状態を残しておかなければなりません。

これはどの動物病院でも基本的には同じ事です。

人間のワクチンを接種する時、インフルエンザのワクチンなどで想像してみて下さい。 予診表を記入し、ワクチンの副作用についても了解した状態で、体温を測り、問診を受け、接種しますね。 犬も全く同じだと思って下さい。

ワクチンは普通のお薬とは作り方も作用も違います。

元気な動物であっても、微妙なコンディションの違いで、副作用が出て、場合によっては死んでしまう事もあります。 慎重に扱う必要があるのです。 また、副作用の事がありますので、出来れば午前の診察で接種するのが望ましいと思います。


いかがでしたでしょうか? 狂犬病のワクチン一つとっても、色々な質問がありました。 皆様の参考にして頂ければ、幸いです。

インターネットの情報などは、全てが正しい訳ではありません。 正確な情報の取捨選択能力が、個人に託される分、何を信じるかも個人に責任になる、難しいツールです。

何か分からない事がある場合、是非、かかりつけの動物病院でご相談してみて下さい。

2016-06-30

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