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良くある疑問と質問
良くある疑問と質問

今年はなんだか、寒さと熱さが入り交じって、体調を崩しがちになります。

秋の花粉症もきついのだと聞きますが、今年は皮膚の悪い子達が夏場に悪化しなかった分、秋に酷くなってしまうケースが多く、今飛んでいるブタクサやヨモギなどの影響なのかなあと頭をひねっています。

乾燥と環境因子のアレルギー物質のせいで、肌の恒常性が壊され、かゆみや感染が多いのはみていて心が痛みます。

保湿と薬浴で改善する場合も多いので、投薬が必要なほど悪くなる前に、早めに来院していただければと思います。

食事のサンプル、量はどのくらいあげればいい?
食事のサンプル、量はどのくらいあげればいい?

さて、今回はよくある質問について。

ジャンボどうぶつ病院では、よく食事のサンプルをお渡ししています。 これらはすべて療法食と言われる、正しく使えばお薬に近いほどの効果を持つもので、アレルギー用、ダイエット用、尿石症用、ストレスに対応したもの、便秘用、下痢用、嘔吐用、高脂血液用などがあります。

また一般食でも動物病院専用のものであれば取り扱いがあるため、子猫、子犬用、成猫、成犬用、シニア用、敏感肌用など多岐にわたります。 形態も、ドライフード、缶詰、素材そのものが見えるタイプの缶詰、パウチ、トレイ、セミモイスト(ドライと缶詰の間ぐらいの物)など種類があり、毎年のようにリニューアルを繰り返していますので、一覧表を見なければ病院でも分からなくなりそうなほどです。

こうしたものでサンプルとしてお渡しできるものは、積極的にお渡ししているのですが、よくあるのが「どのくらいの量食べたらよいでしょうか?」という質問です。

実はこういったサンプルは、食べるか、食べないか、を見ていただくための物です。 子袋サンプルはドライフードのものでは1袋20グラム~30グラム程ですが、味見には十分であると思います。 缶詰などはそのものをお渡しすることになりますが、これも少量与えていただいて、問題なく食べることが出来るかどうかを見ていただきたいのです。 実際にこのご飯を継続して食べていこうと決定してから、改めて実際の体重とカロリー計算をして、量を指示させていただいています。

一口に療法食と言っても、同じような効果を持っていはいても、メーカーによって味が異なりますし、好む、好まないがはっきり出るものです。 ジャンボどうぶつ病院で扱っているメーカーは約6社~7社程度あります。その時の状況に寄りますが、あるだけメーカーのさまざまな種類の食事サンプルをお渡ししますので、どれかは食べてくれる物があると思います。

どれでも食べました!と言っていただけたら一番うれしいのですが、口が厳しい子はそうもいかないのが悩みどころです。

なので先の質問に対しては、とりあえず味見をして下さい、どれを継続して食べるか決まってから、量は決めましょうね、とお話しています。 味見なんだなあと気楽に考えていただけたら嬉しいです。

エリザベスカラーを外してはダメですか?
エリザベスカラーを外してはダメですか?

手術後、エリザベスカラーをつける際、「可哀そうなんですがはずしてはいけませんか?」というのもよく聞かれます。

たとえば避妊手術や去勢手術などで傷口を縫合している場合、糸がそこに残っている状態になります。これは術後7日~14日後に抜糸と言って糸を切る処置が必要になります。

傷口は治りかけが一番かゆくなりますね、人であれば糸を取ろうとしたりはしませんが、犬や猫は体に付けられたものを何とかしてはずそうとする子も多いのです。

全く気にしない子もいるのですが、気になる子はやっきになってはずそう とし、傷口自体が化膿したり離開してしまうこともあります。 通常、皮膚のごく薄い層の欠損でない限り、皮膚の下の皮下組織同士も縫合しているので、内臓まで見えてしまうことはまずありませんが、傷は膿んで余計に痛くなり、かゆみも増し、そのままではくっつかない場合がほとんどです。

実際、カラーをつけずに傷口を飼い主さんの目を盗んでいじってしまい、膿んで開いてしまった子がいました。
どうなるか?

残念ですが再度全身麻酔をかけて、腐った傷口を洗い、だめになった皮膚を切り取り、再縫合になります。

だめになってしまった皮膚は切り取らないとそのまま縫い合わせても決してつく事はないのです。切 って血が出る状態になるまで傷を広げ縫い合わせるので、この場合、元の傷が通常5センチにも満たないものであっても、おおよそ倍くらいにはなります。 正直とても可哀そうな手術です。本来であればしなくて良かったものですから。

エリザベスカラーはうっとうしく感じますが、よほどナイーブな子でなければ数日でつけて生活することになれます。動物はとても運動神経がよいので、つけていても距離感などの判断が早いのです。

大体においてエリザベスカラーをつける期間は長くても二週間です。その期間を過ぎればはずすことが出来るものです。

前述の再縫合になった子は結局二週間以上カラーをつけることになりました。
期間限定のものだから!と思いきっていただき、なるべく短時間ではずせるようにしていただきたいと思います。

お薬を飲ませられません!
お薬を飲ませられません!

「お薬を飲ませることが出来ないのですが、どうしたらよいでしょうか」

これは皆さんとても悩まれるところです。 治療としてできることは限られており、薬の成分を体に入れる、ということは注射、もしくはお薬の服用になる訳です。状態によっては吸引させる場合もありますが、基本的に動物では上記二つが9割を占めるといってもよいでしょう。

投薬は非常にネックになるので、さまざまな方法があります。 錠剤のまま、口に入れる。 粉薬を液体に溶かして飲ませたり、粘稠性のある蜂蜜のようなものに溶かし口内に塗ったりする。 元から液体の薬にする。 それ専用のおやつや、ごく少量の肉などのおいしいものに詰めて与える。 もしくは毎日定期的に注射に通う。

ただ飲み薬でしかないものもたくさんあるので、注射で代用が利くのは幾種類かになります。 逆に注射でしかないような薬は、入院もしくは通院を余儀なくされます。

フィラリアの予防薬などの様に既に肉タイプになっているものばかりなら、とても楽なのですが、残念ながらそうもいかないのが現実です。

お薬を飲ませられなければ、注射に通うしかない、というシビアな状況は残念ながらずっと昔から変わってはいませんが、それでも幾種類かのお薬は飲ませやすいフレーバーが付いていたり、味がついていたり、無味無臭の液体だったり、工夫はされてきています。

また飼い主さんが慣れるように動物側も投薬に徐々に慣れていきます。 何度か繰り返すうちに飲むのも飲まされるのも上手になっていった子もたくさんいますので、出来ない!と諦めずに根気強く飲ませてみて下さい。命を助けるために直結するお薬もたくさんあります。

まだ若い子であれば、将来お薬をあげることが難しくないように、お口に指をかけたり触ったりするのをお互いに練習しておくのもいいかも知れません。それがひいては寿命を延ばすことにつながるのですから。

今回はよく聞かれる質問をまとめてみました。 暮も間近な時期ですが皆さんも動物たちも健やかでありますように。

2015-11-30

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