動物病院HOME < 院長のコラム < 難解?予防のあれこれ
四月ももう終わりますね、新しい環境にも慣れてきた頃でしょうか?
あっという間に過ぎてしまう時間は、実は毎日の積み重ねからなっていて、目の前を通り過ぎる早さに、驚きを隠せません。
現在進行形で予防のシーズンですね。
ひと口に予防薬と言っても、専門的には、予防をするもの、駆除をするもの、忌避するものなど幅が広い事が多いです。
フィラリアのお薬の薬効は様々で、フィラリア単独のもの、フィラリアとノミ、マダニを予防するもの、 お腹の虫まで駆虫するもの、と色々あります。
また、錠剤、お肉タイプ、つけるタイプ、ゼリーなど形状も様々です。
それぞれ飲ませやすい薬のタイプが異なりますので、予防薬の効能をきちんと把握して、ライフスタイルに合った方法を選んでいただけたらと思います。
フィラリアの予防を開始される場合、必ず、フィラリアの感染の有無をチェックする必要があります。
これは血液を一滴だけ頂いて、その場ですぐチェックするキットに掛ける方法です。五分もかからないでしょうか。
何故しなければならないか、という質問は良くあるのですが、万が一感染していた場合に、飲んだ予防薬によって死んだ虫が血管に詰まってしまい急死する事があるからです。
健康な子にとっては、1年に一回の病院シーズンでもあるので、全てを一度に!と言われる事もあるのですが、これもまたその飼い主さんによっ て考え方が異なります。
病院として、というよりも一飼い主として、春にしなければならないものは春に、それ以外はそれ以外の時に、というのが良い気がします。
春にしなければならないものというと、例えば、狂犬病のワクチンは、4月から6月の間に接種せよ、言う法律があります。またフィラリアやノミ・マダニの予防も、虫の活動時期の関係で春からの投薬が必須となります。
フィラリアに関しては、ジャンボどうぶつ病院では、東京での蚊の活動時期に合わせ、4月から11月まるまるの予防をお願いしております。
誤って認識されている方が多いのですが、一般的なフィラリアの薬は、投薬してから1ヶ月間効くのではありません。 投薬した日から一ヶ月、さかのぼって効果を発揮する薬です。
フィラリア予防薬の場合、正確には駆虫になるので、薬を飲ませた日までの1ヶ月間に蚊に刺されて感染幼虫が体内に入っていた場合に、その虫を駆除します。
ですから、飲ませる時期がとても大切です。
例えば、4月の30日に投薬すれば、4月ひと月を予防できた事になります。
これが5月1日にのませた場合、4月2日からの 1ヶ月を予防した事になります。
飲ませた日の月ではなく、その前の月をメインで予防した事になり、ややこしいのです。
当院が月末投与を薦めているのは、このためです。
更なる混乱を誘発するのは、ノミ、マダニのスポットタイプや食べるタイプのお薬は、使用してから一ヶ月間効果が発揮される事です。
4月末に使用すれば、5月末まで、 5月頭に使用すれば、6月頭まで、効果が出ます。
驚くのは、この説明をすると10人中10人の方が、知らなかった!と驚かれる事です。
うちの病院ではフィラリアのお薬を開始する場合は必ずしている説明なので、毎回私も驚いています。
フィラリアのお薬も、ノミ・マダニのお薬も、予防の中では非常にメジャーでとても広く使われているお薬です。
それでも正しく効果を知られていない事も良くあるのだなあと、 つい知っている事前提でのお話をしないようにしようと、毎回考えています。
フィラリアのお薬は錠剤だ、と思っている方もいらっしゃいますが、お肉のものも、つけるタイプのものもありますし、ゼリーなんて変わり種もあります。
また、ノミ、マダニのお薬も、お肉のタイプが出来て、スポット剤や錠剤が苦手だった子に好評です。
今年一番人気なのは、フィラリア、ノミ、マダニ、お腹の虫、全て一錠で予防できてしまうタイプです。
二種類併用していた方が、一気に出来てしまって面倒ではない、と希望されるケースが多いです。
錠剤での投薬が大変ではないのであれば、ご検討頂いてもいいのかもしれません。
知っているようで、知らない方も多い予防薬のお話、皆さんはご存知でしたでしょうか?
2015-04-30
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