動物病院HOME < 院長のコラム < 自覚症状はないけれど
春からのせわしない季節が常ならばようやく落ち着いてくる頃合いですが、残念ながらそうもいかないようです。
昨年とは異なり、今年の梅雨はたっぷりとした雨が日本列島に降り注いでいます。雷や突発的な豪雨により気温も乱高下。
この時期は気圧の変動も大きく、お腹の調子を崩す子が多いのが特徴です。
また湿度が高く、体温調節や水分調節が上手くいかず、心不全や腎不全の持病を持っている子達に突発的な悪化が起きています。
どうぞお家を留守にする際には、水のみ場に十分な水が用意されているか見てあげてください。
除湿などをかけて外出すると、案外水が蒸散して減ってしまっていることがあります。
帰宅してから、あれ、朝たくさん入れたはず?と思うこともしばしばありますので、できたら二つ以上の水をおいておくことをお勧めします。
また、水をあまり飲まないい子も増えていて、これは室内が温度調整されているからなのですが、そのまま飲まないと隠れ脱水を起こしてしまうことがあります。
こういう場合は、フードをふやかしたり、味付けをしない肉の茹で汁などをスープとしてのませたりして補ってみて下さい。
アレルギー持ちの動物達も多いので、何のお肉を使うかなどは調整が必要です。
夏まで加速的に暑くなる今、熱中症には動物達も気をつけていきましょう。
また最近少し気になることが。
春の健康診断時期がおわり、検査結果を見ていると、中には数値に異常が見つかるケースがあるのですが、全てが病気由来ではないのです。
1、2歳と若くて、避妊去勢前の術前検査では異常がなかったのに、半年もたたないうちにいくつか異常に高い数値が見つかるケースがありました。
調べていくと、特に大きな病気はないのですが、あることをすると数値が下がるのです。
じつは、新しく食べはじめたおやつ、市販のフード、ネット通販で購入されたサプリを辞めたりした場合なのです。
以前の正常な数値の時からこれまでの間に何か生活に変化がなかったかお聞きすると、心当たりがこういったことしかない、という飼い主さんからのお話がありました。
試しに一ヶ月辞めて頂いて、もう一度同じ項目を測定したら、不思議なことに正常化していたりするのです。
まさかそんなわけはないともう一度同じおやつを食べてしまったケースが一例あるのですが、一ヶ月後また高値を示して今度こそ辞めることになりました。
きちんとした調査をした訳ではなりませんが、体に取り入れるものは当然何かしらの影響を与えるものです。
普段我々が食べているものが肉体を作るように、動物達の体も取り入れた食物でできています。
値段などは関係なく、体に合う合わないはその子その子で異なります。同じ種類の同じ年の子であっても、同じフードが体に合うかどうかは分かりません。
病院で扱うものに関しては、メーカーや製造元に確認することもできますし、組成も明らかにされていますが、ネット通販のものになると全く不明です。
今回ちょっとこまったなあ、と感じたのは、自覚症状がなく健康診断での血液検査の結果でしか異常が拾えなかったことです。
当然数値が異常なのはよいことではありませんから、なんとか正常に近づけようとしますが、それにそもそも気がつかなければ余程具合が悪くならないと分からないということになります。
それは手遅れになる可能性を示しています。
病院で扱っているフードやおやつ、サプリメントに関しては当院で処方している限りは何かあればすぐにメーカー報告と相談に乗ることができますが、飼い主さんご自身で自己責任の上で購入されているものに関しては、お答えできません。
それが例え療法食であっても、当院が処方したものでなければ、こちらから説明することができません。
このサプリのせいでしょうか?と聞かれてもお答えできないのが現状です。
一体全体なぜ…と疑問に思うことは多いのですが、心当たりのあるものを一つ一つ取り除いて原因を探るしかないのです。
見た目に現れない異常とどうやって向き合うか、悩みはつきません。
2019-07-01
「うちの子の様子がおかしい?」「狂犬病の注射を受けさせたい」「避妊手術はいつすればいいの?」など、お気軽にご相談ください。
tel03-3809-1120
9:00~12:00 15:30~18:30
木曜・祝日休診
東京都荒川区町屋1-19-2
犬、猫、フェレットそのほかご家庭で飼育されている動物診療します