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拾った猫を飼うときは
拾った猫を飼うときは

今年の長雨は随分と日本列島に降りそそいでいてくれているようです。水がなければ干上がってしまいますが、過剰に降られると災害に転じてしまうなあと、この秋は本当に思いました。

全国各地で未だ避難生活をされているとニュースで報じられているのを見ると、心が痛みます。

これ以上の被害拡大がありませんように、心から祈っています。

長雨で気持ちが沈みがちですが、ようやく涼しくなってきたので、夏場に皮膚病が悪化する子達には、待ちわびた季節ですね。

お散歩も日中に出かける事が出来るようになって、体重が気になっていた子達も、減量に成功しているようです。

これからの季節は咳と乾燥性の皮膚のかゆみに注意すべき時期になります。
部屋の加湿に加えて、保湿剤と美容液で皮膚コンディションを整えて、飲み薬を使わなくてよい状態を維持していきたいものです。

外から来た子猫は危険がいっぱい
外から来た子猫は危険がいっぱい

さて、子猫のシーズンですね。

猫の発情期は春と秋が多いので、今年もそろそろ子猫が現れる時期になってきました。 拾ってもらう事が出来た幸運な猫ちゃん、もしくは可愛い子猫に心を射止められて飼う事になった幸運な飼い主様に、大切な事をお伝えします。 それは、外から来た子猫は危険が一杯だという事です。

何の危険か?感染症です。

ざっと上げてみると、ノミ、耳ダニ、マダニ、回虫や条虫を始めとするお腹の虫の感染、猫エイズ、猫白血病の感染、猫パルボウイルスやFIP、猫伝染性鼻気管支炎(通称猫かぜ)、フィラリア、などなど。

これらは感染症であり、子猫にとって非常に過酷な病気であり、予防が出来る物も多いのですが、お家に元から猫ちゃんがいた場合、その子が予防していないと、感染するリスクもあります。

例えば猫エイズを持っていた子猫が、知らずにおうちの子に感染させてしまう、といった事は、良くあります。

子猫を保護した時に必要なこと
子猫を保護した時に必要なこと

では、子猫を保護した場合、何をするべきなのでしょうか?

先ず動物病院で検診を

これはまず必ずして頂きたい事です。

子猫だけではなく、成猫や保護犬をお家に迎えた場合でも、必ず動物病院でその子の現状を確認して下さい。
かかりつけ医を確保する事はその子の一生を安全、かつ幸せに過ごすためにも必要です。

お腹の虫は人に感染する事もありますし、知らない間に他のおうちの子にも感染させてしまう事もあります。
ノミなどは顕著な例ですが、外猫についたノミが、飼い主さんご家族をさして皮膚科に通院、といった事も起きています。

また子猫であれば、今後ワクチンや、各種の予防、不妊手術何どしなければならない事が数多くありますので、是非相談して下さい。

飼う状況を確認しよう

何が必要で、何を揃えるべきか。どの程度コストがかかるのか。
最低でも猫一匹に対し、トイレは二個以上、水飲みの器は二個以上、寝床やトイレ用の砂や設備が必要になります。

月齢にあったフード、状況に応じて粉ミルクや哺乳瓶、離乳食が必要になる事もあります。 体温コントロールが出来ない子猫の場合、湯たんぽの様な保温設備が必要な事もあります。

自分が不在の時に頼る事が出来る人、設備があるか。

あまりに小さい子だと、通常の犬猫のホテルでは預かってくれない場合もあります。 また周りで預かって下さる方がいる場合、子猫の世話の説明をきちんとしないと、トラブルになる場合もあります。

急な出張や引っ越し、結婚や転勤などでもきちんとその子を連れて行く事が出来るかどうか、一度考えてみるのはとても大切です。
実は、海外転勤などで犬猫を飼育できなくなるケースは案外あるのです。

他にも色々な事が考えられます。

せっかく家族に迎え入れた子が、元からいた猫と上手く行かなくて泣く泣く手放したりするケースも見られます。

また子猫は小さく、大変に愛らしく、思わず飼ってしまいたくなりますが、子猫である時間は一生のほんの一時に過ぎません。

成猫になり、老猫になり、病気や事故など、人の一生と同じように波瀾万丈に生きていくので、それにはお金もマンパワーもかかるという事も、頭の片隅に置いておいて頂きたいと思います。

縁あって迎え入れられたのであればどうか最後まで、ご家族の一員として過ごす事ができますように、そのお手伝いを病院として精一杯していきたいと思います。

2015-9-30

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