動物病院HOME < 院長のコラム < 医療と気候の密接な関係
11月に入りましたが、恐ろしいほどの暑さにこれが秋?とおもわず首をひねりたくなりますね。
夜中に寝苦しくておもわず冷房をつけてしまいました。連日25度以上の気温に、埼玉では28度の最高気温。外を歩く人々は半袖ですし、来月が師走とはとても思えないような陽気です。
かくいう私も朝方が少し冷えたからと、なにを間違ったのかヒートテックのインナーを着てしまい、白衣を重ねたせいでまるで身体はサウナ状態に。
額からポタポタ滴る汗に、縫合する傷口が霞むというなかなかない体験をしました。
暑いのに暑い事自体が季節的に信じられなくて、「え、今日、暑い、よね?」みたいな確認の言葉を何度も周りに発言してしまいます。
この先の未来はこの暑さが当たり前になってしまうのか……温暖化についての知識を問われた小学生の頃から対策はたくさんされてきたのに、どのくらい効果がでているのでしょうか?
対策による効果はすぐには現れないとすれば、人はこの暑さをある程度寛容しつつ、自分自身の肉体もならしていかなければならないのかもしれません。
それは動物たちも同じで、今までの常識が通らなくなっていくかもしれません。
たとえば今年は蚊がながく飛んでいるようです。
通常ですと予防期間は5月から11月とされています。理屈でいうと蚊の姿を最後に見てから1ヶ月後に、その年の最後のフィラリア症の予防薬を飲むのですが、今月ふつうに蚊にさされた親族をみて、「11月まででは、たりないわ」とため息が出ました。
かつては6月から10月だった予防期間は、蚊の生存期間の延長により、徐々に伸びてきているのです。
また、現時点でもノミの大量寄生をおこした動物たちが来院されています。全身にノミの糞が付着し、身体を掻きむしって寝れなくなり、ひいては飼い主さんたちすらノミに刺されています。
本来ではあればこのくらいの時期には飲みの活動性が下がってきて、ここまで多量の寄生は引き起こさないのですが、これもまた温暖化の影響なのでしょう。ノミ・マダニの予防に関しても通年を強く勧めていくしかないのかもしれせん。
医療と気候は密接な関係があり、たとえば天気頭痛や気圧差による落ち込み、月の満ち欠けや台風などの近接による発作の頻度上昇、慢性関節痛の痛みなど、ごく普通に生活していてもそれを体感することは多いと思います。
今までには必要なかった対策や対応が今後は増えていくと思われます。
「前はそうじゃなかったのに」とは思っても、「今はこうなったんだな」と考えていくことができるように、この先も変わらず丁寧な説明を心がけたいと思います。
2023-11-10
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