動物病院HOME < 院長のコラム < 冬に気をつけたいこと
10年に一度の大寒波を迎え、冬の本気を感じる一月ですが、全国で痛ましい事故が多発しないことを祈るばかりです。
前回の大寒波では、各種交通機関が麻痺した以上に、車に閉じ込められて命を失ったり、あと少しのところまで家にたどり着きながら、ホワイトアウトにより視界を失ってお子さんを庇って凍死されてしまったお父さんの事故など、思い返しても辛い事故が多くありました。
10年に一度、千年に一度といった表現は字面的には衝撃的なのですが、あちこちでいろいろなものに使われすぎてそういった形容詞として形骸化している気がします。実際に起きた痛ましい事故を思い返すことの方が、切羽詰まった現状を理解しやすいと思い書いて見たのですが、思ったより自分のダメージが大きいです。思い返しても辛い、本当に二度と起きてほしくない事件です。
さて降雪といえば二月頭ですよね。東京の氷と雪への脆弱さはもはや一種のネタにさえなっていますが、転倒しただけでも打ち所が悪ければ死んでしまいますし、運が良くても骨折や捻挫など、かなり長い時間を治療に費やし不便を強いられることになりますので、外出の際は十分に気をつけた装備でおでかけになってください。
スニーカーで果敢にも道路を歩こうとされている方を多く見ますが、絶対にやめましょう。 昨今はワークマンなどで安価にスノーブーツが売っていますので、ぜひいざの時のために揃えておいて欲しいところです。
またスタッドレスタイヤやチェーンの装着をされていない車での外出は控えましょう。 なぜか度胸試しのごとくノースタッドレスでの走行を行う車が、立ち往生して事故に遭う姿を多々見掛けます。なんのチキンレースなのかと思いますが、これも絶対やめましょう。氷、絶対、注意。
動物はというと。
犬猫は物珍しさから降雪に対し興奮する様子を見せたり、我を忘れて遊んだりします。
雪を食べてみたり舐めたり、転げ回ったり様子も見られたりします。
逆に最初から絶対に雪の上に出ない様子の犬猫の動画などがバズりますが、そういう子もいます。
得意な子も苦手な子もいるのは人と同じですね。
冷たい雪の上に肉球を乗せるとその冷感に驚いて手足を跳ね上げ、はしゃいでいるように見えたりもします。実際は軽くパニックを起こしていたりするのですが、外からはそうは見えないかもしれません。
また犬種によって寒さへの耐性は異なります。
ハスキーやセントバーナード、レオンベルガー、ニューファンドランド、グレートピレニーズ、アラスカンマラミュートなどは元々雪の降る寒い地方出身の犬たちです。また秋田犬や北海道犬も同じく雪国の犬たちです。分厚いダブルコートの皮毛を持ち、冬毛に全て生え変わっていれば、雪も寒さもへっちゃらでむしろ快適に過ごせたりもします。
しかし、スムースのチワワやマルチーズ、ヨークシャーテリアなどは永久成長毛を持つためダブルコートではありません。雪が好きでも、得意な訳ではないのです。
雪国で生活して普段から雪に親しんでいる子たちは別として、物慣れない東京の動物たちは楽しく遊んだその数日後に壮絶な下痢を起こしたり、がくりと体調を崩すことも多いので、ご自身の飼われている子たちがどのくらい寒さに耐性があるかを考慮した上で、遊びや散歩に連れ出していただきたいと思います。
ちなみに当院副医院長アリエルは今年ダウンコートを装着しました。
今まで鬱陶しがって着てくれなかったのですが、やはり寒さが堪えるお年頃になったようで、久しぶりに着せたダウンが快適だったらしく、かつて身にまとってから数秒で引き裂いていたことを忘れるほど、スムーズに装着してくれました。
どのくらい暖かいのかな、と思ってダウンと被毛の間に手を入れてみると驚くべき保温力!かじかんだ手がびっくりするほど暖かいのです。
犬自身の体温が高いこともありますが、こうやって洋服を着て暖気を逃さないと相当な保温効果があるのですね。
これなら彼女の痛む腰が保護されるのも納得。
外に出すと心なしかウキウキと弾む足取り、全く帰宅する様子がない夜の散歩、病院勤務の後でコートを着ていない院長。
排泄だけを済ませて家に戻る予定は大幅にずれ、ご機嫌な副院長の傍らに鼻水を垂らして凍える院長がいたとかいないとか。
全く別のお話ですが、ふかふかの深雪の上で遊ぶと毛に雪玉ができますね。
たくさんオーナメントが下がっているような様子はとてもユニークでなんと見えない可愛さですが、実は結構硬くてなかなか取れないのをご存知でしょうか?
ブラシを入れてもしっかり凍り付いて固まっており、なかなか梳いてとくことが出来ません。
出来てしまったら少し玄関などで温まって溶けるのを待ってから、とってみてください。
そのままにすれば室内のフローリングの上に小さな水溜まりを常に形成する生き物が出来上がります。
どうかしばらくの玄関待機をお勧めします。
今年は気圧が乱降下することの影響なのか、動物たちに発作の症状が出ています。
今までお薬でコントロールできていた子たちが発作を起こしたり、初発で発作を群発したりという子たちが、毎週のように来ています。
季節性の変化はどうにもならないとことではありますが、発作自体はなるべく起こさせないほうが良いものです。
たまにしょっちゅう起こしてるから平気、というお話を飼い主さんから聞くこともあるのですが、回数が増えればその分脳が傷つき、より発作が起きやすくなってしまうことが案外知られていないのかな?と感じます。
よって発作の投薬開始時期は明確な基準があります。それに基づき適切なタイミングで投薬を始めれば、全体の七割の子が発作をコントロールできるとされています。
心当たりがある方は是非、動物病院で相談されてみてください。
ただ発作はわかりやすいようで分かりづらい症状です。
癖のように思っていたことが実は発作であった、なんていうことはよくあります。
どんな小さな違和感でも、口に出して見ることをおすすめします。
2023-01-31
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