動物病院HOME < 院長のコラム < 少しでも「おかしいな?」と感じたら
寒暖差があきれるほど激しい毎日が続き、人も動物達も身体的にも精神的にも厳しい季節ですね。
満開の桜に降り積もる雪なんて幻想的な光景は、かつて読んだ絵本の世界にしかみられなかったものですが、地球環境の変化をこんな風に感じることに少しだけ恐怖を感じます。
常であればこの時期は、仕事の終わったあとで夜に車を飛ばし、ウインドウごしに眺める夜桜をながめて春を愛でる気持ちもあるのですが、残念ながら今年はPCのモニターごしに全国各地の桜の名所をみる、バーチャルお花見で我慢しようと思います。
特に高齢の動物達はこの気温変化と気圧変化に耐えられず、体調を崩しがちです。
心臓病や腎臓病などの既往症があると、そのリスクは大きくなります。
一日二日での急変が珍しいことではなく、先週小康状態だった犬や猫が、今日突然亡くなる、といった事例も増えています。
どうぞ「何かおかしいな?」と感じたら、ためらうことなく病院へ来院されて下さい。
夜間であっても、それは変わりません。一瞬の楽天的な考え方が命取りになります。
そしてそれが、取り返しのつかない後悔へと結びつくことがあります。
今しなければできない処置があります。言葉が話せない動物達の代弁は、飼い主さんしかできません。
どうぞこれくらいは大丈夫、とは思わずに安心を買う気持ちで病院へ行かれてください。
ただ、この何かおかしいな?というのが難しいのですよね。
少し前ですが、笑顔で猫がお風呂に落ちた話をして下さった飼い主さんがいらっしゃいました。
例えばそれが湯船に水が入っていない空の状態であれば打撲だけの心配ですみますが、これが熱いお湯であれば火傷のリスクが、また湯量が多ければ当然溺れてしまうリスクが発生します。
すぐに救出したとしても心配ですが、なんと飼い主さんの目の前で落下したのではなく、落ちてもがいていたのをあとから発見されたのだとか。
笑い話で済まされる状況ではないのですが、なぜか飼い主さんご自身に危機感がなくケロリとされていらっしゃいました。
落ちたあとも元気だったし、ネットなどで浴槽に落下する猫のおもしろ映像があるので、大したことではないと思っていたとのこと。
念のため撮ったレントゲンで、誤嚥による肺炎が見つかり治療することになりました。
残念ながら、猫はかなり酷い肺炎が起きても、犬のように明確な呼吸器症状が出ないのです。
「様子がおかしかったら」「何か変だなと思ったら」連れてきて下さい、とはよく言うものの、具体的に指示することの難しさを実感します。
それでも、「いつもと違うことがあった」「いつもと違う様子がある」ということを念頭に、飼い主さん達に様子の変化に気づいて頂くしかないのが現状です。
人の病院もそうですが、動物病院も受け身な機関です。来て頂かなければ何もできない、医療機関のもどかしさです。
さて順調に春の健康診断が進んでいます。既に幾つかの大きな疾患を早期発見できていて、健診って本当に大切だよなあ…と思いながら自らも人間ドックにいってきました。毎回バリウムと採血が苦痛で仕方ありませんが、我慢我慢。
実感するのは超音波検査の精度の高まり方で、これは装置が進化しているのもあり、本当に短時間で苦痛も少なく多くの情報が得られます。
とくにガンなどのしこりが腹腔内にできている場合、それを見つける鋭敏さはレントゲンより優れているといってもいいでしょう。
肺や骨に関してはレントゲンの方が得意ですが、内臓のがんは症状が出づらいのも相まって、超音波検査が一枚上手です。
今回のキャンペーン中には普段よりもお安く検査ができますので、是非ご利用下さい。
新型コロナウイルスの猛威が、たった半月でヨーロッパ、アメリカにも波及し、中国発アジア圏内の新型ウイルス病という認識は改まったと思います。
これは世界的大流行であり、国という垣根を越えて協力しなければ、多くの犠牲を払うことになる戦争のようなものです。
増産されたはずのマスクは、相変わらずスムーズには購入できず、続く自粛要請に「それは一体どこまでの制限なのか?」と首をひねり、それでも公共交通機関は稼働し、わりと混んでいる電車に乗って一体どういう時代になったんだろう、なんて考えます。
日々増える感染者数と死亡者がネットとテレビに溢れ、やれ首都封鎖やら買い占めやらデマ拡散やら笑ってしまうような商品券の話やらが世間をにぎわせます。
楽しみにしていた行事やイベントは中止され、春休み公開の映画は延期され、楽しみがない人生なんて…とぼやく帰宅途中の道に並ぶ飲屋さんには、なぜか人がいっぱいてお酒を飲んでいる。
先行きの見えない不安感と閉塞感、ちぐはぐな人々の行動などが相まって、いま世界中の人々が心を痛めています。
それでも毎日時は進み、最前線で戦われている研究者の方や医療関係者の方々のおかげで、少しずつこのウイルスの実態が明らかになってきました。
医学が後退することはありません。
正しく皆が協力することで、症例数が増えるほどに、対処法が増えています。
どうかあからさまなデマなどで動揺せず、冷静にタフにこの局面を乗り越えましょう。
そして、手荒いうがいとアルコール消毒を日常的に行うのはとてもいいことですので、習慣化できますように。
2020-03-31
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