院長のコラム

動物病院HOME < 院長のコラム < 帰省や旅行に向けての準備を

帰省や旅行に向けての準備を
帰省や旅行に向けての準備を

とうとう今年最後のブログとなりました。

ようやく歳末らしくなってきた雰囲気なのですが、気温があまり下がらなかったこともあり、来院される飼い主さんたちとなんだか年末の気がしませんね、と話しています。

それでもクリスマスを超えて、正月支度に追われる飼い主さんたちを猫ちゃん、ワンちゃんたちもきちんと理解しているらしく、なんとなくそわそわしている雰囲気もあり、いつもよりも飼い主さんの側から離れなかったり、逆に大掃除の様子を部屋の隅で興味深そうに見守ったりと、いつもと違う行動をとっているようです。

また、年末年始で帰省をされたり、旅行に同行する動物たちも多いことでしょう。

キャリーに慣れていない子達は車酔いや電車酔いをすることもありますので、必要であれば事前に酔い止めなどを服用するのがベストです。

もっといえば、実際の規制の前に短時間のキャリーでの移動を経験して置くといいですね。車であれば30分以内、電車であれば2、3駅分くらいでしょうか。いずれも1時間は長すぎますので、15から30分以内を目安にすると良いと思います。

もちろんできれば午前中に実行し、何かあっても午後に来院できるようにしておくことも必要です。

キャリーの中にはペットシーツやお気に入りのタオルなどを入れ、休憩ポイントで水が飲めるように器もお持ちください。大抵の子はトイレを我慢してしまうことが多いので、キャリーの中で排泄することはないのですが、酔ってしまって吐くと吐物がキャリーから滴り落ちる、なんていうこともあります。ペットシーツは多めに用意すると良いでしょう。もちろん汚れたシーツを入れるビニール袋も必須です。あらかじめ二重にしておくといいと思います。

オムツなどの装着も効率的でいいのですが、普段使い慣れていないと、着脱に時間がかかったり、すぐに剥ぎ取ってしまったりします。帰省するからオムツをつけよう!マナーバンドをつけよう!というのはちょっとハードルが高いので、これもまた事前にトレーニングする必要があると思います。

オムツなどはペット用もあるのですが、個人的には人間用のものに尻尾の穴をあけ、利用するのがベターだと思っています。

吸水性が段違いですし、蒸れなども少なく、また皮膚を圧迫して擦れたりすることも少ないです。サイズさえ合うものを見つければ非常にフィット感も良く、またコストも低く済ませられます。使用されている方はご存知かもしれませんが、おむつの各社メーカーで同じサイズでもだいぶ作りが異なります。今はコンビニやドラッグストアでお試しサイズの少ない個数での販売がありますので、そちらで試してベストなものを探してみてください。マナーバンドもテープタイプのオムツで代用できます。ペラペラなのに高い動物用のオムツは実際あまりお勧めできませんし、勿体無いなといつも思うので、現在使われている方はご検討ください。

話はそれますが、災害時などでは避難所等でおむつやマナーバンドが必要とされる場合もあるでしょう。トイレが砂でないとできない猫ちゃんや外でないと排泄できないわんちゃんなどさまざまな生活環境の子がいるのですが、現実的に考えて猫砂を持って避難することはかなり困難ですし、外での排泄も散歩などにいくことができるならば良いのですができないことも十分考えられます。

周囲の方との兼ね合いもあり、動物の匂いなどの問題はおそらく最も気を使うものです。オムツ等を普段使いする必要はありませんが、いざという時のために練習をしておくことが、動物たちにも我々飼い主にとっても大切であると思います。

こういった年末年始の移動などはその良い機会かもしれませんね。

hr

帰省先のお家で動物を飼われている場合、その子たちと上手くやっていけるかどうかはかなりその動物たちのキャラクターに左右されます。

先住猫が怒りすぎて一歩もキャリーから出られなかった、とか慣れないトイレに排泄ができずに膀胱炎になってしまった、なんていうこともあります。

相性は如何ともし難いので、別の部屋で生活させるなどの対面させない努力を、またトイレは可能であればご自宅での使用済みのペットシーツなどを持参し、最初はそれをトイレに置いてここで排泄してもいいんだよ!と教えてあげてください。

また飼われていないお家では、動物たちが住むのに適さない環境であることも考えられます。例えば異物誤飲がしやすい状況、台所への侵入が容易かったり、ゴミ箱に蓋がなかったり、犬や猫に与えてはいけない食べ物の知識がなかったり、といったことです。

加えて時代によって犬猫の生育環境は激変しているので、ねこまんまのようにかつてはあげてもいいと考えられていたものが、現代では全く許容できないものであったり、人間の食べ物を悪意なく食べさせようとしたりされることもあります。

例えば、以下のように伝えてみてはいかがでしょうか。

  • この子にとって長期の移動と環境変化は大きなストレスがかかるので、慣れない間は静かに見守ってほしい。徐々に触れ合う時間を長くしてくことができるので。
    (※動物たちは皆素晴らしく可愛いので、どうしても大歓迎されてしまいます。普段会ったことがない人に触られることがストレスになる場合もあるので、触れ合う時間はなるべく飼い主さん主体でコントロールするようにしましょう。)
  • 食べ慣れないものを食べると体調を崩す可能性があるので、持参したもの以外は与えないでほしい。体調を崩しても年末年始はお休みの病院が多いから。
    (※良かれと思って色々なおやつやご飯を用意してくれる場合があります。また飼われている猫と同じものをよく食べるのよこれ!といって悪気なく出してくれたりもしますが、お腹が弱い子ですとトラブルになることもあるので、年末年始は動物病院やってないから!を金科玉条のごとく振りかざすくらいで良いと思います。)
  • トイレを失敗するかもしれないが、慣れるまであたたかく見守ってほしい。
    (たとえ自宅で使っていたトイレを持参しても、慣れない環境でリラックスの極みとも言える排泄を行うのは、デリケートな動物たちには難易度が高いこともあります。失敗した時には速やかに掃除するのは前提とはいえ、最初に一言配慮があるとおそらくトラブルを回避できます。)
  • 先住の動物たちとはゆっくりならしていきたいので、様子を見ながらあわせていこう。
    (※犬たちに多いのですが、玄関先から歓迎の意味で一気に距離を詰められることがあります。普段から交流があり慣れていれば良いのですが、相性がありますし何よりも外から来たこちらはテリトリーに踏み込む異物ですので、警戒されることも多く、吠えられたり威嚇されたりすることもあります。抱っこして出てきてくれて鼻先でガブリ、もしくはそれを庇った飼い主さんがガブリ、なんていう咬傷事故につながることもありますので、流血の年末年始にしないために気をつけましょう。)
hr

ちょっと変なマナー講座のようになってしまいましたが、そんなこともあるのねと流し読みをしていただければ幸いです。

いずれにせよイレギュラーはストレスになることもあるので、どの動物たちも飼い主さんたちも体調を崩さなければいいなと思っています。

どうか心も体も健やかに、2023年の年越しを迎えられることも祈っております。

今年一年も大変お世話になりました。

たくさんの飼い主さんたちに支えられて10年目を迎えることができました。本当にありがとうございます。

来年もまた変わらず、動物たちと飼い主さんたちが充実した幸せな生活ができるように、我々ジャンボどうぶつ病院は努力を続け研鑽を重ねて参ります。

みなさま、良いお年を!

2023-12-29

院長のコラム トップ

「うちの子の様子がおかしい?」「狂犬病の注射を受けさせたい」「避妊手術はいつすればいいの?」など、お気軽にご相談ください。

「うちの子の様子がおかしい?」「狂犬病の注射を受けさせたい」「避妊手術はいつすればいいの?」など、お気軽にご相談ください。

tel03-3809-1120

9:00~12:00 15:30~18:30
木曜・祝日休診

東京都荒川区町屋1-19-2
犬、猫、フェレットそのほかご家庭で飼育されている動物診療します