動物病院HOME < 院長のコラム < 暑さと乾燥にご注意を
8月も最後の日になりました。
今年の夏も、本当に暑いですね。なんだか毎年暑さが更新されている気がするのは、気のせいでしょうか?
残暑も厳しいと聞きます、皆様体調のお変わりはないでしょうか?
なんだか食欲も減りがちで、お素麺にお世話になる日々です。
お素麺には天ぷら!と思って揚げ物をはじめると、とめどなく流れる汗にああそうだった、美味しい物を食べるにはまず汗をかかなくては…と基本的なことを思い出します。
先日、ある保険会社の調査報告で、気になる記事を見ました。
やはり、というか、納得、というか、熱中症の発生率は8月と9月に集中しているのです。
これによれば、8月がようやっと終わってもあと一ヶ月、危険時期が続くことになります。 6月の湿度に伴う熱中症についで、本当に暑さによる熱中症の時期になります。
現在、ほとんどの家では冷房をつけて対応されていると思いますが これはやはり必要な処置と言えるとおもいます。
また同時に起きているのが、乾燥による脱水です。 皮膚の乾燥もそうですが、じつは膀胱炎も多くなっています。
本来暑い夏は膀胱炎は少ないとされていました。
それは暑さにより、比較的水分を取る量が多くなるため、尿量が増え、結果的に膀胱に細菌が繁殖しづらい状況になるからです。
逆に冬場の場合は、飲水量が減り、濃い尿が長く膀胱内に貯まるため、細菌が繁殖しやすい環境が整って膀胱炎が起きることが知られていました。
ですから、実際に、尿閉、という尿管に尿石や血餅などが詰まって尿がでなくなる状況になる病態は冬場のものとされていました。 しかしこの数年、夏場の尿閉や膀胱炎が珍しくなくなっています。
これはあまりの暑さで、冷房を使用する→快適なため水をあまり飲まない、しかし皮膚からは蒸散する→知らずに脱水する→尿が濃くなり、結晶ができやすくなる→尿石症になり膀胱炎になる、尿閉へ、という流れだと思います。
初めて夏場の尿閉に出会った時は、珍しいこともあるものだ、と思いましたが、今は実際によく見るな、という実感がありますので、 猫の飼い主さんはぜひ気をつけていただきたいです。
猫の尿石症は、特発性膀胱炎といって明確な原因がなく、おそらくストレスが原因で起こる場合が約70パーセントと言われています。
このストレスがなんなのか、ということははっきりしていません。
ただ、来客が多かった、水の器が変わった、トイレの砂が変わった、新しい子猫が来た、など、我々からすると瑣末なことが原因となるようです。
これに対しては、既にストレスの影響を軽減させる成分を含んだ食事というものも開発され販売されています。
実際に症状が出た場合、お薬の投薬は必須な場合もありますが、同時に食事や環境を改善することが長期的な尿石症のコントロールに必須でもあります。 食事に関しては、だいぶおいしい物も開発されていますので、ぜひお試しください。
暑い暑い夏も、涼しい秋まで、もう少し!
実はあと二ヶ月でジャンボどうぶつ病院は開院から一周年を迎えます。 時間の経つ速さに、えええっ!!と驚くばかりです。
初心を忘れないようにしなくては、と、どこからともなく聞こえる風鈴の音に、夏が過ぎていくのを、惜しんでいます。
2014-08-31
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