動物病院HOME < 院長のコラム < 健康診断で何が分かるの?
ようやく春めいてきました。
桜の開花宣言もされ、お花見に繰り出された方も多いのではないのでしょうか?
昼に見る桜の美しさに、始まりの季節の訪れを感じ、 夕闇に沈む桜の艶やかさに、はっと息を呑み、 夜の桜の妖婉さに、古来から愛でられて来た花の凄みに想いを馳せる。
良い季節になったなあと、しみじみ思います。
さて、現在病院で始まっている春の健康診断キャンペーンですが、大変ご好評頂いてありがとうございます。
通常、元気な犬や猫たちに、血液検査を行う事はありませんが、健康診断シーズンの今は是非、積極的にお勧めしたいと思います。
病になってからでは遅いのは人と同じで、早く異常を発見できる事程、幸運なことはありません。
時の流れが人の四倍速ですぎてしまう犬や猫は、一年一回ですらかなり間があいた検査になってしまうからです。
また、この機会に胸のレントゲン検査、お腹の超音波検査も是非お勧めしたい検査です。
どちらも基本的に麻酔をかけて行うものではありませんので、身体にかかる負担は非常に少ないものです。
またレントゲンでの被爆を心配される方もいらっしゃいますが、飛行機に一回乗るよりもずっとずっと少ない被爆量であるので、まず問題になる事はありません。
レントゲン検査が得意な事は、骨の異常を見る事と、呼吸器の評価をする事です。
臓器のように柔らかい軟部組織は超音波ほど得意ではありませんが、骨に関してと気管、肺の評価に抜きん出ています。
呼吸器は逆に麻酔をかけない検査で異常を調べるためには、レントゲン検査以外に血液ガスという特殊な検査項目でしかチェックが出来ません。
吸気、呼気両方の状態で撮影する事で、気管や肺の評価などがより詳しく調べる事が出来ます。
同時に胸郭に入っている心臓に関しても、心肥大の状態や肺水腫の有無などをしらべる事が出来ます
気管虚脱や気管支拡張症、間質性肺炎、気胸などレントゲンでしか分からない症状もあるので、とても有効です。
超音波検査では思いがけない異常が見つかる場合があります。
超音波検査が得意なのは、臓器の形を見る事が出来る事と、心臓のように動き自体の評価が出来る事です。
例えば肝臓の疾患は血液に異常がでる場合と、肝臓の形自体が変化する場合があります。
これが連動していればいいのですが、血液検査で異常がないからといって、肝臓に形態的な変化が無いとは言えないのです。
逆もまたしかり、血液検査にしか現れない機能の低下などもあります。
両方が足りない所を補う検査ですので、是非注目して頂きたいと思います。
検査というのはそれぞれ得意な分野が異なります。
血液検査だけでなく多角的な方向から身体の状況を推測し、状況を確認する必要があります。
一年に一度の検診ですので、7歳以上のシニアになったわんちゃん、ねこちゃんはぜひ、血液検査と合わせてこれらの検査をして頂けたらと思います。
また、普段お家でも出来る健康チェックをあげておきます。
まず歯肉、この粘膜が綺麗なピンク色かどうか、青紫だったり、変に白っぽく見えるのは要注意です。 チアノーゼ(酸素不足の状態)や、貧血などの可能性があります。
また瞼を下にさげ、あっかんべーの要領で見える粘膜も同じです。
白目の所が黄色く見えたりしていないかも、よく見てみてください。 黄疸がある場合は、皮膚も含めて黄色くなってしまう事があります。
身体も被毛があるので、難しいのですが、まんべんなく撫でてみて、しこりが無いかどうか確認します。
左右の耳の中を覗き、あくびをした隙に口の中に何か出来ていたり赤かったりしないかも無いかを見てみます。
口臭がきつくなったりするのも歯肉炎があったり、腫瘍ができている場合もあります。
急にいびきが聞こえるようになったり、鼻水から鼻血に変わった利した場合、喉や鼻に腫瘍がある場合もあります。
胸に手を当てて、心臓の動きが一定かどうか、これは自分の胸に手を当ててみてもいいです、定期的なリズムで拍動しているかの指標になります。
以前そうしてみたら飼い主さんご自分が不整脈持ちな事に気づいた、という事もあるので、やはり確かめてみてもいいかもしれません。
五感を使って出来る検査は、いつでも簡単にできるものです。
病院に来て頂いた時にも勿論確認しますが、お家でも是非活用して頂きたいと思います。
2015-03-31
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