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デマに惑わされないために
デマに惑わされないために

冷たかった空気も緩み、辛夷の花が咲き、沈丁花の香りが漂ってきました。春の足音が着実に迫る中、世間はいまだコロナウイルスショックでさざめいています。

マスク、アルコール消毒に続き、フェイクニュース、所謂デマの拡散によりトイレットペーパーやテッシュペーパー、はては紙おむつまで品薄になったと報じられるのをみる度に、正確な情報をきちんと認識し行動することがどれだけ難しいのかが身にしみます。

これだけインターネットが普及し、ほとんど一人に一台のネット接続できるツールを持つこの世界で、事実かどうかなんてクリック数回で分かることです。

今回の件で考えると、製紙工場の数と国内生産量に関して調べれば、デマに惑わされることもありません。トイレットペーパーの大半を中国で作っている、なんていうナンセンスな話は笑い飛ばしたことでしょう。

でも人は、その数回のタップすらおしんで、間違った情報に危機感だけを煽られてしまう生きものなのです。

そもそも海外製のテッシュや紙おむつよりも、日本製のものの方が材質がよく、多くの方がお土産にしていく姿をニュースなどでみたことはないでしょうか?

それでもこれだけ全国的に不足が起きるくらいには、動揺してしまうのですね。

それだけ国内での不安感が充満している、ということなのかもしれませんね。

hr

新型コロナウイルス(COVID-19)に関していえば、先日、香港で犬の感染が確認されました。

その少し前に犬の咽頭や鼻粘膜からコロナウイルスが分離されましたが、感染ではなく人から排出されたコロナウイルスが付着しただけだと報告があったばかりでしたので驚きました。どうやら分離されたあとに繰り返し検査を重ねた結果、付着ではなく感染という判断になったようです。

ただ現時点では犬の体内でウイルスの増殖は確認できていません。また犬自身には何の症状も出ていないといいます。今回のケースは飼い主さんが感染し、犬にうつしたケースですが、逆に犬から人への感染は確認されていません(2020年3月10日時点)

全てまだ調査と研究の途中ですが、いたずらに恐れるのでなく、まず手あらい、うがいの徹底を行い、飼い主さん自身が感染しないように対処して下さい。

犬の混合ワクチンには6種以上のものには、犬コロナウイルス感染症(CCV)が含まれています。

子犬にパルボウイルスなどと混合感染すると、症状を重篤にすることが知られているため、混合ワクチンに含まれています。

新型とは全く別物ですので、この混合ワクチンを犬に打っているからといって、犬の新型コロナウイルスの発症を抑制できる訳ではありません。

そして、この犬のワクチンを人に打っても全く意味がありません。万が一にでも【犬のワクチンが新型コロナに効く】などというデマには惑わされないでください。

hr

また、猫にも猫腸コロナウイルス感染症があります。

こちらはやはり消化器症状を主にするもので、ワクチンはありません。多くの外猫に抗体上昇が見られ症状を発現しなくても感染していることが知られています。多少の下痢がみられる程度で、あまり強い病原性を思たないのが特徴ですが、少々タチが悪く感染した猫がストレスなどに晒されると突如として体内で変異し、致死的な猫伝染性腹膜炎(FIP)へと変じてしまいます。

これは腹水、胸水などがたまるウェットタイプ(滲出型)、肝臓、腎臓にしこりを作り神経症状が出るドライタイプ(非滲出型)があり、どちらも徐々に弱って死んでしまいます。

発症すると対処療法しか治療がなく、手を尽くしてもほとんど助けることができません。また弱っていく過程が長いため、飼い主さんの心的負担は相当なものになります。原因はストレスとされていますが、なぜ変異を起こすのかなどは不明です。

こちらも猫だけにかかるので、人や犬への感染は起こりません。

hr

新型コロナウイルスのワクチンは現在研究段階に入ったばかりで、完成するにはまだまだかかると思われます。

それでも精一杯、現場の研究者達が取り組んでいる所です。ワクチンは普通のよくあるお薬のような化学薬品とは異なり、生きた細胞から作り出す時間も手間もかかり、生産体制も一気に増やすことができないものです。ですからインフルエンザワクチンも毎年のように入荷待ちになったりして不足する訳です。

新型コロナウイルスのワクチンができても、一気に全国民が接種できるはずもなく、接種には優先順位がつくことでしょう。発症したらハイリスクな人たちを対象に接種が始まったとしてもパニックにならず、対応しましょう。

しっかりした手あらいをこまめに行い、ちゃんとうがいをして、適度な運動をし、しっかり睡眠を取り、食事をきちんとする。体調の変化を感じたら人との接触をさけ、ゆっくり休んで下さい。

世界全体が苦しい時期だからこそ、甘言や流言に惑わされることなく、冷静な行動を心がけましょう。

気持ちの余裕がなくなると、他者にも動物達にも優しくできなくなります。料理や音楽、読書、家での映画鑑賞、ゲームなど、なにか楽しいことを見つけ、自らの心の健康にも気を配って下さい。

hr

三月から春の健康診断キャンペーンがはじまりました。

幸い多くの方が利用して下さっています。

今回のように新興感染症がいつ始まるかも分からず、また水際で食い止めている狂犬病もいつ日本に入ってくるか分かりません。

狂犬病のワクチンは四月から六月が法律で決められた接種期間ですので、きちんと受けましょう。

去年が元気だからといって、今年もそうだとは限らないことが、今はよく分かる時期です。

きちんと健康診断をうけ、その子の状態がどうなっているかを把握しましょう。

2020-03-15

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