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動物の脱水を避ける工夫
動物の脱水を避ける工夫

前回のコラムで梅雨入りした、と聞いたのに、もう梅雨明けしてしまったとのニュースにびっくり所か驚愕している今日この頃です。

毎朝、駅を通るのですが恐ろしいことに誰かしら倒れている姿を見ます。救急隊員のかたが傍についていたり、駅員さんが肩を貸して歩いていたり。毎日のひどい暑さと人いきれに体が悲鳴を上げてしまうのでしょうね。

今年は例年以上に暑さが厳しく、六月なのに八月だっけ?と思うような酷暑。ゆっくり夏に向けて体ができてきた状況とは異なり、まだ慣れない肉体の方が耐えきれずに症状を出しているように見えます。

かくいう私も今朝病院に着いた時に目の前がぐるぐると回りましたので、水分補給は相当な量が必須であることを体感しました。駅のコンビニで買ったほうじ茶を一本飲んでいたのに…。寝坊とこの雨で朝ご飯を抜いたのが良くなかった模様です。これを自業自得と言います。

非常に多く発汗するので、塩分などのミネラルも足りなくなるのですね。塩飴やイオン飲料など積極的に活用して頂きたいと思います。

また、こういう時、甘酒がいいと聞きました。必須アミノ酸が含まれた発酵飲料で、健康に良いのですね。朝ご飯が食べられない時など、コップに一杯飲むと大分違うそうです。豆乳で割るやり方も指導頂いたので、腹持ちも考えこの方法で乗り切ろうかと思っています。

水分補給のヒント
水分補給のヒント

さてこのような陽気になると、動物達もとろけますね。丸まっていた猫が体を広げてでろりんとし、犬もお腹を上に向けて眠ります。

発汗がしにくい生き物は放散により体温を調整しているため、丸まらなくなるわけです。

現在室内に空調をつけていらっしゃるお家も多いかと思いますが、知らずに脱水してしまうケースがあります。

意識的にお水をとらせるのはなかなか難しいのですが、ちょっと気をつけて頂くポイントを上げておきます。

①水の場所を増やす

飲み水をおく場所を増やします。とくに猫で有効です。猫はとてもめんどくさがり、遠い所にわざわざ水を飲みに行かずにぎりぎりまで我慢する傾向があります。目につくところに置いておくと案外飲んでくれます。

また流れる水などの動きがあるものの方がよく飲む場合があります。そういった水の容器に変えるのも一つですね。

犬の場合、一度にたくさん飲むことも多いので、少し大きめの器で。また取り替えたばかりの水をよくのむ場合もありますので、その時は積極的に替えてあげて下さい。

②スープを使う

鶏肉を煮た時の煮汁などを冷凍庫の製氷機で凍らせ、アイスキューブをつくります。飲み水に一つ入れておきます。ゆっくりと溶けてひんやりした味付きの水になります。ただの水よりも良く飲んでくれます。 ただし暑い季節は痛むのでご注意ください。

③餌に水を加える

ドライフードは水分量をぎゅっと減らして固形化したものです。これをふやかせば強制的にフードを食べる時に水分を補うことになります。

単純に水を加え、ドライフードをぷかぷか浮かせた状態にする方法と、熱湯を入れて覚めるまで放置しふやかす方法などがあります。ふやかしの場合、簡単なのは少量の水をフードに加え電子レンジでチンすることです。熱湯より早くふやかすことができます。

また元々缶詰やパウチを食べているこの場合、さらにつゆだくにしてしまうのも一つです。 どの方法も水の代わりに先ほどのアイスキューブを使うと大変喜ばれます。

④缶詰に変える

ドライフードを食べている子しか使えませんが、同じラインの缶詰に変えます。

そうするとドライとの違いは含まれている水分量だけです。缶詰は70%以上が水分です。その分水分をとることができます。

ただし痛みやすいので御注意下さい。特に置き餌にしている場合は気がつくと腐っている、なんて言うこともあります。

⑤動物用イオン飲料などをつかう

人用のものを薄めて飲ませる方法もありますが、残念ながらあまり飲みません。好きな味ではないのだと思います。

動物用も好む子と好まない子がいます。好き嫌いに応じて試してみて下さい。

⑥電解質サポートなどを使う

腎臓が弱い子や高齢の子には脱水は命取りです。そういった場合は電解質サポートのようなサプリメントも有効です。

粉を飲み水に溶かし使用します。一袋から安価に買うことができるので、試してみるのは良いかもしれません。

以上ざっとですが、水分補給のおすすめを書いてみました。この暑さを乗り切る参考にして頂ければと思います。

診察台にマーキング?!
診察台にマーキング?!

さて、先日衝撃的なことがありました。

診察台にマーキングをする猫ちゃんが現れたのです。

マンチカンの子猫である彼女は、ケージから診察台に出た途端、脇目も振らず一心不乱にマーキング。飼い主さんや私たちが手を伸ばしてやめさせようとすると怒って噛み付くほど集中。

まるでマタタビでも使ったかのような集中力に一同びっくり。

さすがに今まで診察室にマーキングをした猫ちゃんはみたことがありません。思わず動画を撮らせて頂いてしまいました。

おそらくこの先もまずないだろう珍事に、病院スタッフ皆でほっこりしたのでした。

2018-07-01

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