院長のコラム

動物病院HOME < 院長のコラム < 犬のコルセット

犬のコルセット
犬のコルセット

秋というよりここ数日の天気は冬模様ですね。街を吹き抜ける木枯らしが街路樹の葉を落とし、町並みを彩っています。

病院から見える街ゆく人たちも、ダウンジャケットを身にまとい、帽子やマフラー、ショールなどの冬のアイテムが活躍しはじめています。

彩りも深い葡萄色や、濃い臙脂色などの秋めいて、いままでの夏の強い色からうつり変わったのを感じます。

椎間板ヘルニアは安静で改善しますが…
椎間板ヘルニアは安静で改善しますが…

さて、急に寒くなるといくつかの下痢や、椎間板ヘルニア、尿石症など病気が多くなるのが有名ですが、今回取り上げるのは椎間板ヘルニアなどに対して用いるコルセットについて。

この写真のモデルは、ミニチュアダックスフンドのポッケちゃん。

実はいままでに二回、軽度の椎間板ヘルニアの症状を訴えたことがあります。

一度目のときに飼い主さんとの相談の上、内科療法とケージレスト(安静)によって治療をし、症状は改善。

しかしリハビリを開始してケージレストから解放されてから間もなく、調子が上がったために自ら活発に動いてしまい、再び腰を痛めてしまいました。

これ、椎間板あるあるなんです。

ケージレスト、安静、と飼い主さん達に我々は口がすっぱくなるほどいいますが、これは本当に難しいんですよね。

例えば病院で入院していれば、当然安静は確保できます。

病院は大抵の子ならば少し緊張する所ですし、飼い主さんではないスタッフ相手ではあまり興奮したり暴れることもありません。

またきちんとケージがあり基本的にそこから出すことはありませんし、動かさない、をこれほど守ることは他では出来ないと思います。

ジャンプをしづらいようにケージ内を整備して、二週間の安静とレーザー治療を行うと軽度のヘルニアであればかなり改善が見込めます。もちろんこれは手術が必要なほど重篤ではない場合に限りますが。

退院後の安静の難しさ
退院後の安静の難しさ

ですが、問題はここから、家に帰ってからなんですよね。

久しぶりのお家、大好きな飼い主さん、狭くないケージ、これでテンションが上がらないわんちゃんがいない訳もなく、帰った当日から安静がいかに難しいかを飼い主さんは突きつけられることになります。逆に入院がいかに偉大か、というのもわかるのですが。

「ケージで鳴き続けます」

「出してくれるまでずっとケージの金網を引っ掻いてます」

「中で食事をとりません」

「排泄が出来ません」「ケージ内を所狭しと飛び回って安静が出来ていません」「ジャンプが止められません」

「ソファーから飛び降りてしまいます」「駄目っていうのに、丸まって寝ちゃいます」

などなど、これはほんのの一部で、ケージレストに悩む飼い主さんからの相談は枚挙にいとまがありません。正直にいえば、どうすることも出来ないようなことが多く、こちらも頭を悩ませることもしばしば。

習慣を変えるのは困難
習慣を変えるのは困難

これは私見ですが、腰を痛めやすい子はその生活の中に痛めやすい要素を持って暮らしていることが多いように感じます。

例えば、

後肢で立ち上がり抱っこをせがんだりするのが可愛いと、飼い主さんからそれを制限されておらず、自ら好んでやる。

ソファーや椅子などにのることを禁止されておらず、飛び乗ったり、おりたりを日常的にしている。

公園などでリードを離し、自由に走り回らせたりしている。

ボール投げなどのアクティビティが好き。

散歩は歩くものではなく、常に走るものと考えている。

階段の昇降が必要とされる環境。

股関節や膝にもともとの問題があり、それを庇う無理な歩き方、内股だったりがに股だったりしている。

こういった生活が当たり前だった子に、急に認識を変えろというのは、これは飼い主さんも含めて難しいのです。

コルセットという選択肢があります
コルセットという選択肢があります

で、どうするか、という話しですが、一つの方法としてコルセットを提案したいのです。

このコルセットは常時つけることが出来るタイプの、しっかりと脊椎骨をサポートし、ヘルニアになりかねない姿勢を取り辛くする効果があります。

例えば、これを装着したポッケちゃんは

「後ろ足で立ちにくいので、無理な姿勢を取らなくなった」「丸まって寝ないように出来た」

「ソファーから飛び降りないし、飛び乗らない」「急に振り向いたりして腰を痛めることがない」

「腰を痛めない姿勢の抱っこがしやすくなった」「安静がしやすい」

また腰元の吊り用のベルトによって、体のコントロールを飼い主さんがしやすく、非常に楽だ!ということでした。

またこちらから見ると、

  • 歩き方に偏りがあり、爪などの減り方が均等ではなかったのが、均等になった。
  • 足裏のパットのすれ方も均一になった。
  • 立っている姿勢がとてもよい姿勢。
  • 後ろ足のスタンスがきちんととれるようになった。
  • 歩き方が正しく綺麗になった。

などが観察されました。

飼い主さんのストレスが軽減
飼い主さんのストレスが軽減

これは本当に素晴らしいことで、ケージレストの悩みをほとんどリカバリー出来ているんです。

あまりの快適さに、飼い主さんの満足度も素晴らしく高く、提案してよかったと心から思いました。

家にいても安心して見守ることが出来る、というのは本当にありがたいことです。目を離さないで生活するというのはまず不可能ですので、うっかり飛び降りた!などがないだけで、飼い主さんのストレスも大分軽減されるようです。

こちらの製品はオーダーなので体の寸法を計測し、発注するためズレやサイズの不具合はほぼありません。

計測は病院で行いますので、飼い主さんが煩わされることはありません。注文してから約一週間から十日で製品が届き病院で装着して使い方をご説明します。

ちなみに着脱はかなり簡単なので、日に何度もつけ外しが出来ますし、おとなしい子でしたら一人でつけることも十分できます。

ポッケちゃんはかなりデリケートなこわがりさんでお洋服なども嫌いでしたが、一週間程度で装着に慣れたとのこと。

例えば、椎間板ヘルニアの術後であったり、手術まではいかなないけれど、既往としてあっていつ爆発するか分からなかったり、今回のケースのように回復期に使用する、などいろいろな用途があります。

行動制限で悩まれている場合、コルセットの使用も考えてみてはいかがでしょうか?

2019-11-30

院長のコラム トップ

「うちの子の様子がおかしい?」「狂犬病の注射を受けさせたい」「避妊手術はいつすればいいの?」など、お気軽にご相談ください。

「うちの子の様子がおかしい?」「狂犬病の注射を受けさせたい」「避妊手術はいつすればいいの?」など、お気軽にご相談ください。

tel03-3809-1120

9:00~12:00 15:30~18:30
木曜・祝日休診

東京都荒川区町屋1-19-2
犬、猫、フェレットそのほかご家庭で飼育されている動物診療します