ゴールデンウイークもおわり、すばらしい晴天に恵まれ、まるで夏のような日差しですね。
もう少しすれば梅雨の足音を聞き、湿度と降水確率がひたひたと上昇するのでしょう。 そうなるとお散歩にはちょっと切ない時期ですね。
ただ、冷房をかけるまでもないけれど少し汗ばむ、日陰は涼しいけれど、日が当たるところでは帽子が欲しくなるといった今の季節は実は熱中症のリスクが高くなります。
フレンチブルドッグや、パグ、ブルドッグの飼い主さまたちはもうすでに、警戒していらっしゃいますが、日中のお散歩が厳しくなってくるのも時間の問題です。 人間が暑いと感じる前に、地面に近い犬や猫は暑いと感じています。
実際、来院したワンちゃんの体温を計ると、常よりも高くなっていることがままあります。
毎年の事で恐縮ですが、地面に手を当てて熱いと感じるようだったら、散歩のお時間は涼しい時間帯にずらしてくださいね。
さて、春のワクチンシーズンが到来し、一年に一度のワクチン接種のために来院される方が少なくない五月です。
またフィラリアの予防も始める方が多い月ですので、動物病院では一年で一番込み合うシーズンと言われています。
そのせいか、最近よくお電話でお問い合わせをいただくので、それについてお話したいと思います。
「何時が空いていますか?/何曜日が空いていますか?/午前と午後はどちらが空いていますか?」
はじめていらっしゃるときに、これはとても気になる事だと思います。日曜以外は予約制ではありませんので、待つ時間を考えると出来たら空いている時間に行きたいと思うのが人情ですね。
以前でしたら、十時半から十一時位が空いていますよ、とか平日は落ち着いていますよ、とか土曜日は午後が込みますよ、とお話ししていたのですが、大変申し訳ないのですがこのところ、まったくその流れが読めなくなっています。
平日土日関係なく、タイミングによってその日その日がまちまちです。のんびりだなあと思っていたら、あっという間にとんでもない状態になったりもするので、本当に予測ができないなあと思っています。
また、このところ緊急の処置が必要な患者さんが多くなっています。
新しい患者さんであることも多く、今までの経緯や検査結果などが全く分からない状況からの緊急処置のため、検査や対応に非常に時間が掛かってしまうことも珍しくありません。
ちょうど来ていただいた患者さまをお待たせしてしまうこともしばしばです。
もし待ちたくない!という場合は予約制の日曜日に、この時間で、と指定していただいた方がよいかもしれません。
また、はじめていらっしゃる飼い主様にお願いがあります。
初めての場合、その症状や 状況など、また今までにした検査などについて詳しくお話を聞く必要があるため、お時間がかかります。
また緊急の場合、命を優先しますのでお話を詳しくうかがう前に必要な処置をとらせていただく場合があります。
出来ましたら、今までにおこなった検査結果やレントゲンなどをお持ちください。
それにより必要な検査を絞り込むことができます。
データがない場合や状況によって、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などが必要な場合も多いですので、検査を希望されれば費用がかかる場合もございます。あらかじめご了承ください。
また、ご相談のみの場合は、どうしても診察が優先になりますので、お待ちいただくことが多々あります。
お話し中でも、急患が入った場合や診察の状況によっては、中断せざる得ない場合もございます。御理解いただけると幸いです。
「△△の状態なのですが、様子見ていいですよね?」
これは大変難しいです。常日頃見ている子でしたら状況によってそうですね、とお答えすることもありますが、基本的に飼い主さんが異常を感じてお電話をくださっている時点で、何かがおかしい訳ですから、様子を見ていいとは言えないケースがほとんどです。
診察は電話では行えません。実際に診てみなければ正確な状況がわかりませんから、推測でお話することはできないのです。
「セカンドオピニオンなのですが、こういう症状でこの治療でよいでしょうか?」
「○○という病気ですが、治療には費用はどのくらいかかりますか?」
と言うのもよく聞かれます。
基本的に私は、実際診ていない動物達の状況をお電話だけで判断するのは、あまりに無責任だと考えています。
そして実際に診てみなければわからないのが、ごく普通だと思います。
そこにあるものが何で、どうすべきかというのは、想像や電話でのお話だけでは正しく判断できません。
費用に関しても同じことで、何をどこまでして、どういった治療までを望むのか、は飼い主さんによって異なります。
まったく同じ病気だったとしても、その病期が同じだったとしても、選択する治療は人的な問題やコスト的な問題などで、変わってきます。
どの治療をどこまでするのか、費用はどこまでかけるのか、そういった事を相談し進めていくためには、お電話は役不足なのです。
また電話等では認識のずれや誤解なども、当たり前ですが生じやすくなります。
以前のコラムでも書きましたが、飼い主さんが咳だと思っていたものが逆くしゃみだったケースがあります。
これは仮に対面であっても、症状を言葉で説明することがいかに難しいかがよく分かる事例だと思います。
それが電話ではどうなるでしょうか?
またこういったケースの場合のほとんどは、実際にまだお会いしていない飼い主さんであり、診たことのない動物たちなのです。
小さな誤解が大きな問題になっては困ります。
お問い合わせのなかには、こういった薬を使っているのですが、そちらではいくらですか?といったものもありますが、そもそも薬の量やサイズ、形状、取り扱っているかどうかでも変わってきてしまいます。
予防薬のようなものを除き、すぐにお答えできない事も多いです。
お電話での問い合わせでは対応しかねるものも少なくないので、実際にそのお薬をお持ちいただき、確認させていただく方が良いと思われます。
話変わって、動物であっても医療は医療です。使うお薬も機器も検査も全て人間と同じ医療専用のものです。
保険に入っていなければ、びっくりするほどお金がかかります。それでも人間の医療費よりは随分と安いのですが。
実際、あれもこれもそれも検査も治療もしたい!とは思っても、全部すればそれだけ費用がかかりますし、時間もかかりますし、本人の負担も飼い主様の負担も増えることにもなります。当然絞りこむことが必要になります。
その際に何を最優先するのか、というのは飼い主様とのご相談になります。
動物病院によって、用いる薬も用具も方法も考え方も全て異なります。おのずから費用も変わってきます。
いまでこそジェネリック医薬品が叫ばれて久しいですが、同じ効能を持つ薬でも、どこのメーカーの何を使うかで全く費用は異なります。
これが的確な例えかどうか分かりませんが、目に入る日光を遮るのに、シャネルのサングラスもあれば、ナイキのサングラスもあり、ダイソーのサングラスもあるのです。
ジャンボどうぶつ病院では、どの検査を選択するか、どこまでの治療を希望するかを飼い主様に必ず確認していますので、その際に「費用はこれだけで出来る限りお願いします!」と言ってくださって全く差支えありません。 場合によっては検査よりも治療を優先する場合もあります。
よく費用の事を聞くのが申し訳ないと言っていただくのですが、そんなことはありません。
お金はとても大切です、遠慮なくおっしゃってください。
それよりも高かったなあという苦い思いで、せっかくの治療で良化したことが吹き飛んでしまう方がよほど悲しいことです。
そんなことがこれから先の治療に臨む障害になるのは、本当に辛いことです。
その子がこれから生活していくために必要最低限であっても、サポートがしたいというのが私達の願いです。
コストがかかるからと治療をあきらめるのではなく、何か出来ることだけでもさせていただきたいと願っています。
今回はずっと書きたいと思っていた費用の事と電話相談についてでした。
色々な考え方があるとは思いますが、一つの考えかただととらえていただければ幸いです。
四月から新卒の看護師が二名、新しくジャンボどうぶつ病院に加わりました。
二人とも二十歳で若くやる気にあふれ、けれどまだ経験不足で、指導する側も同じく経験不足で、みんなでバタバタしております。
ご不便をおかけしないように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
2016-05-15
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