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秋のアレルギー
秋のアレルギー

一気に空気が冷え、秋を実感する今日この頃、残念なお知らせを一つ。

九月に入り、秋の草のアレルギーが始まりました。

夏のアレルギーが落ち着いた頃合いで、もう秋か…と呆然としておりますが、今年の夏は異常な暑さと長さで我々皆を苦しめてきたので、その影響も計り知れないものがありました。

やっと暑さが落ち着いてほっとした矢先、待ったましたとばかりに秋草の勢力が拡大した様子です。

特にブタクサは猛威をふるい、多くの動物達が症状を訴えています。

飼い主さん達の中にもくしゃみ鼻水がひどくなったり、耳の中がかゆくなったりするケースが多いようで、「うちの子と同じタイミングでかゆくなりました!」というお話もちらほら。

かくいう私もあまりの耳の痒みに、ひどく耳かきをしてしまって、絶賛中耳炎、外耳炎、鼓膜炎のトリプルパンチです。

アレルギー持ちの場合、敏感になっている耳道は少しの刺激でも炎症するので、そこをかいてしまうと一気に腫上がり、浸出液がでてきます。

また掻いたりすると細かな傷がつき、感染しやすくなります。皮膚は外界からの第一バリアーですので、かなりの防御機能をもっていますが、傷つけられればその守りは決壊しやすくなり、菌の侵入を許してしまうのです。

感染を伴えば痒みと同時に痛みがでてきます。ちなみに発熱することもあります。

これはもちろん動物も同じで、器用にかけないからこそ、周囲の耳介を傷つけてしまったり、目標をずらして目を傷つけてしまったりします。

また腫れぼったくなった耳道が鬱陶しくてやたらにふったり、頭を傾けたりしてしまうことも。

外耳炎からさらに奥、中耳炎や鼓室胞炎などになると、CTをとらなければならない羽目になることもあります。

また以前コラムで取り上げた耳血腫などにもなりますので、たかが外耳炎と侮るなかれ、耳の中は要チェックです。

ちなみに私はレントゲンを撮るハメになりました。人も動物も頭に近い場所は特に、注意が必要ですね。

特に注意の必要なポイント
  • 臭いがする
  • 耳介の色が赤い
  • 触ったときキャンと泣く
  • 耳垂れがでる
  • 耳垢が黄色い、茶色い
  • やたらに耳をふる
  • 首を傾ける
  • 顔や目の周りに傷がある

消化器症状にもご注意を
消化器症状にもご注意を

また急な気温の降下に伴い、下痢や嘔吐なども増えています。

寒暖差が激しい今の時期は、夏の疲れも相まって体調を崩しやすい時期です。

下痢や嘔吐の時は吐物や便を、もってきて頂くのが大切です。

そこにはたくさんの情報が込められていますので、ちょっと大変ですがぜひおもち下さい。

獣医師が診れば一目で問題となっているものが分かることも多いのです。

またもってこられない時は、携帯などの画像で保存して頂くのも大切です。飼い主さんは第一のかかりつけ医です。記録を取ってみて下さいね。

アレルギーは治りませんがコントロールはできます
アレルギーは治りませんがコントロールはできます

今回の一枚はクー太ちゃん、雄の柴犬です。

こんなきれいなお顔のクー太ちゃんですが、実は生後半年ほどでアレルギー性皮膚炎を発症。そこから様々なケアを経て、今のように一見そうであるとはわからないところまで良くなりました。

これは非常にコントロールが上手くいっているわんちゃんで、何よりも飼い主さんが治療にを良く理解し、根気づよく様々なアプローチを頑張って下さったからです。

じつは某雑誌のアレルギー性皮膚炎の治療経過に写真の提供を求められたのですが、生憎綺麗に治ってしまっている写真しかなく… 「これをみても多分、ひどかったと信じてもらえない」という理由で断念しました。

一年を通してどのタイミングでどの治療をすべきか、日常のケアはどのようにするのか、それがきっちり分かっているいま、クー太ちゃんのとってはアレルギーはコントロールのできる個性になっています。

こんな風にうまくアレルギーと付き合うことができるように、サポートしていきたいです。

2018-09-15

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