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秋の皮膚症状
秋の皮膚症状

秋が深まり、ようやくの涼しさに体がまだ慣れない日々です。

季節の変わり目は体調を崩しやすいと注意をしていても、なにやら喉が痛くてごほごほと咳き込むことに。大分涼しくなったとはいえまだ蒸し蒸しするので眠い目を擦りつつ、咳をしても一人、などと文学の世界に浸る間もなく目覚ましの針を確認して飛び起きます。

夜がもう少し寝やすくなったらいいなあ、と思いつつ、そうであればまた心地よい布団に寝過ごしてしまうような気もします。

布団の素晴らしさを感じる冬に向けて、気持ちを引き締めなければ、と思う秋の朝です。

季節性の不調は早めに対策を
季節性の不調は早めに対策を

これからの季節は湿度が急速に下がり、乾燥する時期です。人でも秋は紫外線と乾燥の恐ろしい時期ですが、これは動物達も変わりません。一気にフケがでてきたり、被毛がぱさつく、または乾燥のせいで油分が過剰にでてしまいべたつく、などがおこりはじめます。

また先週辺りから秋のアレルギーも始まった模様。毎年この時期に痒みや皮膚症状がでて来る子達には、注意喚起を行っています。

あらかじめ抗ヒスタミン薬を飲んでおいたり、シャンプーを保湿効果の高いものに替えたりして対策しています。

また強い味方である化粧水と美容液が活躍するシーズンですね!どちらも副作用がでるものではありませんので、たっぷり使ってできれば抗生剤や免疫抑制剤の使用をひかえたい所です。

美容液はつけると一週間持つタイプ、化粧水は静電気防止効果などもあり毎日使っても大丈夫なものになります。地味な存在ですが実は本当に縁の下の力持ちのようにきいてくれるので、ありがたい存在です。たかが化粧水、美容液、と軽んじる事なかれ、これがなければ一気に悪化するケースもあるのです。

シャンプーを含めケアは諦めずに、即効性がなくとも積み上げていくことで、トータルで使う薬が減らせるのは明らかです。

皮膚病で悩む方は「どうせこれやっても、またかゆくなるんでしょ」と気持ちがとてもめげてしまっていることが多いです。これは当たり前のことで、毎日みている自分のかわいい動物達が、痒みや臭いや脱毛に悩んでいたら、心が傷ついてしまいます。

治りませんがコントロールはできます
治りませんがコントロールはできます

皮膚病には色々なケースがありますが、特にアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎に関しては、治ることはありません。

治そう!という意気込みより、上手に付き合っていこう!という気持ちで向き合うことがとても大切です。

初めて症状がでたときに、どういった理由でこの症状がでていて、どうやってコントロールしていくのか、という説明をきちんと聞いている場合、そこまで飼い主さんが悩んでしまうことはあまりありません。

残念なことにそういった説明がないまま治療がすすみ、お薬を飲み終わればまた症状がでてしまう、ということを繰り返して、「どうせなおらない……」という思考に陥ってしまっている飼い主さんに、最近よくお会いします。

うちで初めて見せて頂いた時に、アトピーなどの説明をすると説明をする「とええ?治らないの?!」と驚かれることもしばしばで、ああきっと長く悩んでいらしたんだなあと切なくなります。

もし、今の時点で皮膚病との付き合い方が上手くいっていなくても、今はたくさんの選択肢と治療法があります。

その子、その子にあった治療法をみつけ、根気よくこつこつと続けていくことが、本当に大切です。

悲しむべきことに、拗れてしまった皮膚病の飼い主さんは、諦めやすくなっています。どうせやっても、この程度だ、と落ち込み自分を責めてしまいます。

でもちょっと待って下さい、腫瘍などと違い皮膚は長期戦覚悟で取り組む相手です。今まで長く患ったのなら、治療をはじめるまでにかかった時間と同じくらいコントロールにかかります。すぐに諦めてしまうのではなく、皮膚病ってそういう相手なんだな、という気持ちに切り替え、前向きに取り組んで欲しいと心から願います。

アトピーなどの皮膚病は一年間のその子の状況を継続的に観察し、定期的な対策をその時期に合わせて立てていくことで、ようやくコントロールできるものです。できることからこつこつと、じっくり取り組んでいくそのサポートができたらいいな、と思います。

2017-09-30

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