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サマーカットは、いかが?
サマーカットは、いかが?

盛夏に突入したなあと感じる熱波がアスファルトから吹き上がるたびに、額にかいた汗がしずくとは逆方向に飛ばされます。

陽射しよけの麦わら帽子のなかは、汗に濡れた髪のせいでもわもわと湿度が高く、いっそう不快な気持ちになりますね。

刺すような陽射しは肌を焼いて、紫外線によるダメージを受けるだけではなく、体力も奪います。室内外の温度差に自律神経がおかしくなってしまう方も多いのではないでしょうか?

動物達もそれは例外ではなく、一日室内にいるとしても、毛皮を身にまとった状態、しかも体も小さいためにもの凄く消耗します。

ハムスターなどであれば数時間で脱水し、状況によっては死亡することもあります。

 サマーカットにするとどうなるの?
サマーカットにするとどうなるの?

小動物達にとっては総じて厳しい季節になりますね。

また空調が利きすぎても体が冷えすぎて下痢をしたり、咳がでたりと調整が難しいのがこまったところ。熱さにも冷え過ぎにも注意しなければなりません。

さて熱さ対策はいろいろとありますが、現在非常に人気なのがサマーカットですね。

これは猫ちゃんのサマーカット、1ミリバリカンで全身をカットしています。他に2ミリ、3ミリ、5ミリ、8ミリと毛の長さを変えて飼い主さんの希望に応じてカットします。

モデルになっているサイベリアンのベルちゃんは、もとはこのような長毛種。ボリューム満点のたっぷりとしたやわらかな被毛が美しい、大型の猫ちゃんです。

しかし!この見事な毛皮が夏場は仇となり、大変暑いことに…そして細く柔らかな毛質は毛玉ができやすいのです!!

毛玉は小さいうちは良いのですが、大きくなるとがっちりと皮膚にくっついてしまいます。

皮膚と毛玉の間に隙間がなくなると、汗が蒸れて皮膚炎を起こすことも。

サマーカットが終わってから分かることが多い、この毛玉の下の皮膚炎、なにせ蓋のように毛玉が存在感を放っているので、飼い主さんが気がつかないことが少なくないのです。


こちらはロングコートチワワ鼓助ちゃん、普通の子より毛量が多く、密な毛質が自慢の可愛い男の子です。

しかし!このレベルの上質で密度の濃い毛皮の場合、毛玉にならなくとも皮膚炎になってしまうことも。

例えば雨などで濡れたりするとそこの毛ににぐっしょりとしみ込んだ水が蒸れの原因となり、皮膚炎になることがあります。

ゲリラ豪雨や台風のこの時期はそういう心配もありますね。

蒸れによる皮膚炎は少し時間がかかりますが、このように毛を刈って通気性を良くすると劇的に改善します。位置によっては塗り薬も使えるので、一石二鳥ですね。


こちらはミニチュア・ダックスのポッケちゃん。一見スムースのダックスに見えますが、じつはこれもサマーカットです。

ポッケちゃんはやはりミニチュアダックスの中でも毛量が多く子犬の時のようなふわふわのやわらかな毛を持っています。

耳の後ろや足の後ろの飾り毛などがとても絡まりやすく、いつもブラッシングが欠かせません。

言うのは簡単ですが毎日のことですから実は結構大変ですよね。

夏の間は短めにしてあげると、大分体感温度が変わりますし、ブラッシングの手間もへるなあと思います。

実は、カット後の手触りもたまりません
実は、カット後の手触りもたまりません

こんな風に今の時期、サマーカットが大流行りです。

ファッション的なことというよりも、この暑さを乗り切るために必要な処置だと思って頂けるといいな、と思います。

「えええ、このふかふかの毛がたまらないのに!」

という飼い主さん、実はこのつるつるにした毛質も何とも最高な触り心地です。びろうどのような滑らかさと、いつまでもなでていたくなる柔らかさ。

ついでに何かできものや皮膚炎ができていないかもチェックできます!

また毛は刈ったそばからどんどん伸びますので、半年かからずに元通りになります。暑い夏だけ、半袖に着替えるような感じだと思って頂けるといいかもしれません。 ぜひご検討下さい。

ちなみに犬のサマーカットは通常のトリミングでお受けしていますが、猫の全身バリカンは猫ちゃんの性質上全身麻酔下となります。

あらかじめ予定を合わせて予約を入れていますので、ご希望の場合は一度診察をお受け下さい。

また現在、トリミングの予約が大変混みあい、とりづらくなっております。キャンセル待ちなどで対応していますが、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

直前での予約はなかなか難しい状況なので、ご希望の場合はこちらもお早めにご連絡頂けると幸いです。

2018-07-15

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