節分を超えて、新しい年が改めて始まりましたね。今年がより充実した素晴らしいものになるように心から願っています。

すでに気配を感じていらっしゃる方も多いとは思いますが、花粉の季節が始まりました。

じわじわと痒みが出ている、というよりも日によって一気に痒みや発赤が出る、というケースが多いように感じます。

昨日まで平気だったのに、今日になったら左目の回りが真っ赤に！なんていうこちらが慌ててしまうような症状が出てしまう子が来院されています。

普段からアレルギーによるかゆみのコントロールをしている動物たちに加え、もともとハイシーズンに症状がキツくなる動物たちは要注意です。ひどくなる前に早めにお薬を飲み始めた方が、必要以上の種類のお薬を飲まなくて済むかもしれません。

基本的に年齢を重ねると、抗体医薬などで治療をしていない限り、症状が強くなっていきます。去年までは平気だったのに、というお話もよくお聞きするので、今年初めての強い症状が出る場合もあります。あれ？あやしい？と思った場合は早めに来院してくださいね。たまに頑なに花粉症を認めない人間の方のお話が面白おかしくネットの上がったりしますが、動物たちは自己申告できませんので、人が先回りして教えてあげてください。

かくいう私も出産以降に花粉症を自覚したのですが、初めのうちは風邪だ！とか何かの一過性のアレルギーだ！と言い聞かせてやり過ごしていました。

しかし、どう逃げてもやってくる鼻水、瞬きするたびにあふれる涙、あちこちの皮膚の痒み、呼吸のたびに気づく耳道の奥の痒み、目覚めた瞬間の目やにの多さ。

外に出るたびになにかが吹きかかってくる感触、診察のたびに感じる動物たちの被毛から舞い上がり鼻をムズムズさせる何か、風の強かった日の翌日から明らかにひどくなる症状。

これは、もう、間違いない、白旗をあげるしかない。世間で盛んに流される市販薬のCM、周りにいるすでに確定診断の出ている家族や友人たちの話。

そう、これはやつだ…！

なにか（？）を諦めて血液検査で調べてみたところ、しっかりスギとブタクサに反応があったのでした。

まさか春だけじゃなく、秋に体調が悪くなるのも、咳が出るのもそれなのか…？

少し前に咳喘息になったことがあるのですが、それをお伝えしたところどうやら関係があるそうです。幼い頃にアトピー性皮膚炎などがあった場合は、大人になってからそういった種々のアレルギーが起きることも多いそうです。

それに加えて、実は少し前から皮膚に強い痒みと湿疹が出ていました。これも花粉の季節とかぶっていたのでそのせいだと思っていたら、なんと実は金属アレルギーでした。

しかも歯科治療に使用していた金属によるものだったのです。

パッチテストで確認したところ、これまた結構な数の金属に反応しており、そうか、ピアスをつけた時にピアス穴がジンジンと痛んだり、赤くなって熱をもったり、たまに出血していたのはそのせいだったのね。

昨年半年ほどかけてそれらを除去し、ようやく症状が減ってきました。

背中一面に出ていた手酷い湿疹はすっかりなりをひそめ、跡が残るのみになってきました。それでも色素沈着が見事にまだらになっているので、完全に痕跡が消えるにはまだかかりそうです。でも夜中眠れないほどの痒みが無くなっただけで、本当に楽になったなと思いました。

あの強い痒みの記憶は、動物たちの痒みのストレスがどれだけ辛いものかを教えてくれました。

動物たちはこちらが思っているよりもずっと我慢強く、痒みや痛みも表に出さずに堪えてしまいます。実際に痒み止めを使ったら、夜よく眠るようになったなどの、こちらの想像とは異なる症状の改善が見られることもあります。

もしそうかな？と思うことがあれば、ためらわずに来院されてくださいね。