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ヘアドネーション
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じんわりと汗ばむ陽射しも時おりみられるようになり、随分と延びた日照時間に、季節の移り変わりを感じるます。

春の少し切ないまでの美しさや儚さに対して太陽の力の強まる夏は、エネルギーにあふれ心も体も前向きになりやすい時期ですね。

例年春はあわただしく忙殺され、七月あたりからしか記憶に残らないのですが、そういった忙しさも自らの時間の使い方一つだなあと思い、今年はなるべくきちんとその季節ごとの色や香り、食べ物などをきちんと味わっていきたいなあと思っています。

わんちゃん達にとっては、狂犬病シーズン真っ盛りですね。

法律上4月から6月までの3ヶ月が接種期間ですので、一年に一度、動物病院に足を運ぶタイミングになります。

一年ぶりに会うわんちゃん達が、元気で何事もなく無事に過ごしてくれたことにいつも感謝しています。 今年もどうか、予防だけで会うことが出来ますようにと、祈りたい気持ちです。もちろん、日常のケアで来て頂くのはむしろ好ましいことなのですが。

フィラリアの予防も開始時期になりました。 通年予防(一年を通してフィラリアの予防薬を飲んでいる)わんちゃん以外は全て、フィラリアの感染をしていないかどうかの血液検査を行い、その上で予防薬を服用しはじめます。

「去年のお薬が残ってるので、飲ませていいですか?」 とよく聞かれますが、万が一、フィラリアに感染していると、予防薬を服用して一気に体内で虫が死ぬことにより、血管に詰まったりして大変なことになる場合があります。下手をすれば死んでしまうこともありますので、必ず血液検査をして確認してから飲んで下さいね。

hr

さて、私ごとですが、髪の毛をバッサリ切ることにしました。

もうかれこれ六年以上、肩より長い状態でしたので、ひさしぶりの短い髪に自分が一番慣れていない可能性があります。

単に無精をしてだらだらと伸ばしていた髪ですが、ある程度の長さになったので、今までずっと気になっていたヘアドネーションに参加することに。

ヘアドネーションとは…

医療用のカツラとして使用してもらうために、切った髪の毛を寄付するボランティア活動です。18歳以下の子供達に無償で提供し、使用してもらうことが出来ます。

小児がんなどの治療において必要になる医療用のカツラは常に不足している状態で、特に人毛を用いたものは順番待ち。また非常に高額になるので、経済的負担にもなってしまうのだとか。

そこでボランティアとしてこういった活動が続けられているのです。

髪の毛はとても大切ですね。たとえばヘアカットが思った通りにならないだけで、結構落ち込んだりするものです。

見た目なんて、と思うなかれ、鏡の中でみる自分が気に入った状態でいられるかどうかは、大きくストレスと関連していると思います。

誰だって素敵な自分でいたいもの。

たとえばいつもより少しお化粧が上手くいったり、髪型が決まったりしたらとてもハッピーな気持ちで過ごすことが出来ますよね。身なりが整う、というのは心の安定に繋がるのです。

私の髪の毛が、そういったポジティブな気持ちに少しでも役立つならと、その存在を知ってから密かに髪を伸ばしていたのですが、ようやく31センチ(ヘアドネーションに必要な最低の長さ)ほどは切ることが出来るようになったので、今回参加することにしました。

ヘアドネーション活動に賛同している美容院であれば、カットした髪をそのまま直接送付して下さるそうです。

また参加していない美容院であっても、お願いすればその長さに綺麗に切って、渡して下さるそうです。 その髪を自分で輸送することができるので、ハードルは非常に低いですね。書類もホームページからダウンロードした書式を一枚記入するだけ、とても簡単です。

もし何かのきっかけで、長くなった髪を切る機会があれば、ぜひ参加を検討して頂きたい活動です。

もしご興味がある方は、こちらを参照されて下さい。

特定非営利活動法人 Japan Hair Donation & Charity(愛称・ジャーダック) https://www.jhdac.org/

パーマ、カラーをした髪であっても、くせ毛や白髪があっても、参加することが出来ます。 かくいう私も縮毛矯正とパーマのかかったくせ毛というトリプルハンデの髪の毛ですが、使って頂けるならこんなに嬉しいことはありません。

hr

輸血用の血液もそうですが、生体組織に勝る人工物というのは、ほとんどありません。 人工物は常にアレルギー反応と隣り合わせです。

例えば腎臓移植や肝臓移植など、あくまで生体間で行われるように、いまだ移植用の臓器は完成されていません。 心臓移植でも人工のものは弁一枚ですら、耐用年数が決まっていますし、血栓が出来る可能性をコントロールしなければなりません。

心臓や角膜、腎臓や皮膚などは生きているうちに簡単に寄付することは出来ませんが、成長を続ける髪の毛や、毎日生産している血液はほんの少しの思いやりで、本当に必要としている人の元に届けることが出来ます。 元気な体に流れる血や髪の毛を、切実に必要としている人がいるのです。

たかだか髪の毛ひとつのことですが、単なる廃棄物にするのであれば、役に立てて欲しい。 軽くなった頭は、ほんの少しですがそういった自己満足を肯定してくれている気がするのです。

2017-05-20

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