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意外な反響?!
意外な反響?!

初めに、先月末のコラムですが更新ができず申し訳ありませんでした。

何人かの方から、コラム更新されてませんよね?と聞かれて、非常に驚きました。

書いている私は一人でPC画面に向かっているので、実際どのくらいの方に読んでいただいているのか、読んでもらって何か少しでも楽しいと思ってもらっているのか全くわからないので、こうやって反応をいただけると予想外に多くの方に読んでいただいているのだと嬉しく思いました。

本来であれば15日と30日に更新される院長コラムですが、まれにこのように遅れたり飛んだりすることもありますので、どうか温かい目で見ていただけると幸いです。

誤字を見つけるとちょっとフフ、となります、と教えてくださった方もいらっしゃい ました。誤字脱字は主に私の得意技で、どうやら生涯つきまとう病らしいことが判明しております。どうぞフフっと笑ってやってくださいませ。

編集をしてくれている友人になんの責任もないことを、彼女の名誉のために改めてお伝えしておきます。

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そもそも、考えてみれば小学生の時から漢字に弱く、国語のテストで間違えるところといえば、漢字の書き取りばかり。

親に漢字ドリルを与えられるも、読みはできるが書けはしないという、そういう子供でした。

薔薇や憂鬱、紫陽花や百日紅などの読み取りがたやすくできたのは、主に私が本の虫だったからです。前後の文脈から大体の内容を汲み取れば、実際習っていない言葉でも読むことができるものです。

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幼い頃は両親が頑張って 眠る前に絵本を音読してくれたものですが、歳を重ね小学校になるくらいになれば、読む本も分厚く長くなります。

必然的に両親もそんなに長く読むのは大変になります。読んで!と頼んでも途中で寝落ちされることもしばしば。

どうしても先が気になるのに、読んでもらえない…!私は本を途中で読みやめる、ということができない子供でした。読みはじめたらどんなに分厚くとも最後まで読みたいのです。

その先のストーリーが気になって眠ることなど到底できません。よってひらがながひと通り読めるようになった頃合いで、自分で読み始めることになりました。

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読めるようになってからは、登下校中の時間も休み時間も帰ってからも眠る前も、常に読んでいる状態です。

そう、私は電車で通学し ていたのですが、車内だけではなく、歩きながらずーっと読んでいました。今から考えれば恐ろしいことをしていたものです。

実際、学校の先生から度々注意されましたし、親からも何度も怒られました。

怒られたはずなのに、全くこたえることもなく、怒られたその数秒後に読み始める始末。私は本を読まないという状況自体が、すでにありえない所まで読書にのめり込んでいたのです。

親には勿論、口では読んでいないと言っていましたが、ある日の保護者会でバレてしまうことになりました。

母が保護者会に参加すると、先生から歩きながら本を読むことに対しての注意が。母はうちも怒ったなぁと思いながら、話を聞いていたそうです。

と、先生はおもむろに後ろの壁の黒板を指し、「残念 ながらうちのクラスの生徒が新聞にのってしまいました」

貼りだされた朝日新聞の一面は、当時の季節を取り上げた衣替えの記事でした。カラーで大きく乗った写真の真ん中には、爽やかな夏服のセーラー服をまとった、女子中学生が四谷駅の前の横断歩道を渡る姿が。その後ろにしっかりとハードカバーの本を二冊も抱えて、本を読みながら後輩と歩く私の姿が…!

(あのバカ娘…!)

と母が思ったかどうかは恐ろしくて確認していませんが、顔から火が出るほど恥ずかしかったと当時を振り返っていました。

こうしてカラー写真で証拠を押さえられたにもかかわらず、私の読みながら歩きは高校生まで続きました。

歩きスマホを注意できない行動…!ホームドアもない時代によくもまあ、と自分でも 思います。そして真似してほしいことでもありません。

でもそのくらい本が好きだったのです。

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両親は本に関しては制限を設けず、欲しいものは好きなだけ買い与えてくれました。

お小遣いを渡され、いさんで本屋さんにおもむき、あれにしようか、これにしようか、あっちもいい、こっちも読みたいと、大体二冊くらいはその場で読んで、それ以外の本を何冊もレジに持って行き、そしてお金が足りないとなれば、本屋さんから親に電話してもらう始末。

親が慌ててお財布を持って、駆けつけて謝りつつ本を買い、何がいけなかったのかわからずにホクホクしながら大量の本を買って帰る、ということを繰り返していました。

これとはまた別に、父は仕事を終えたあと本屋さんに行き、私に本を選んで買ってくれていました。

赤毛のアンシリーズのハードカバーは、とても美しい想定と色使いで、今でも大切に持っています。挿絵の美しさも児童書ならではでした。アンの青春、アンの幸福と続いて、アンと夢の家が一番好きでした。海沿いの小さな家で因縁のギルバートと新たな生活を送るアンに、どれだけときめいたことか!

モモやサーカス物語、はてしない物語を始めとした、ミヒャエル・エンデ作品にはまっていていたこの時期です。臙脂色の布の装丁に刻まれたアウリンをなぞりながら、私もバスティアンと同じように、ファンタージェンに行けるのではないかと、小さな灯りを布団の中でつけて読みふけりながら、想像しました。

余談ですがファルコン最高ですよね、ゴールデンレトリバーに似ていると思います。

指輪物語やナルニア物語、ゲド戦記、ジム・ボタンシリーズ。ハードカバーの美しい装丁は背表紙だけでも胸をドキドキさせてくれるものでした。

その本がハードカバーから文庫になったのは、せっかく買った本を読み終えるまで一日も持たなくなってきたからでした。

なるべく分厚く、なるべく文字数があるものを、と青い鳥文庫の【シルバー湖の辺で】を買ってきてくれた日のことを、私は忘れないと思います。

初めて見る小さな本、そして分厚い!

どれだけ楽しい物語が詰まっているのか、見ただけでワクワクしました。読みはじめて没頭して、本当に楽しくて、そして気がついたのです。これは【大きな森の小さな家】シリーズで、最終巻から二冊目あたりのものであると!

すぐさま一巻目からをまとめ買いしたのはいうまでもありません。

その後、クレヨン王国シリーズを読んで赤とんぼのふじみに涙したり、12ヶ月の旅で王妃の悪癖が何を持って悪癖だったのかを知ったり、アガサクリスティーにはまりポアロシリーズや名探偵ミス・マープルシリーズに没頭したり、父の坂本竜馬おしと新撰組血風録から始まった幕末もの、歴史ものにのめり込んだり。

中学生になると作家買いを覚えて宮部みゆきさん、江國香織さん、小野不由美さん、浅田次郎さん、田中芳樹さんなどはでればでただけ買っていました。

まあとにかく目につくもので字が書いてあればなんでもよいという時期を経て、現在がある訳です。

残念ながら両親の方針で漫画は中学生になってから初めて読みはじめました。確か最初に買ったたのは、セーラームンーンだった気がします、懐かしい。

本の虫とそしられることはあれど、それは私にとっては褒め言葉であり、大学に入学して仲良くなった友人達は自分以上に本の虫だったりしたので、大学でも授業とは全く関係ない本もたくさん読んでいました。

そういう流れでみていれば今が一番読んでいない時期なのでしょう。

でも眠る前に今度は私が読み聞かせをする番になり、懐かしいかいけつゾロリシリーズや大泥棒ホッツェンプロッツシリーズ、エルマーとりゅうシリーズなどを読み返す機会に、子供のときと同じかそれ以上に胸が高鳴ります。

hr

本が与えてくれる世界はたとえ自力でどこに行くことができない子供でも、いくらでも開かれていて、どこまででも想像の翼を広げてくれるものです。

例え現実の世界で苦しいことが続いたとしても、頭の中で広がる世界はいくらでも楽しいことで埋めることができます。

通学中にいつも、「この角を曲がったら恐竜が顔をだしてたらい面白いな」「横断歩道をわたりきったら違う世界にいて、妖精や魔法使いが空を飛んでるのかも」「空を見上げてたらせ中に羽が生えて、雲の上のその上の世界に行けないかな」と妄想ばかりしていました。

頭にお花畑が広がっている子供でしたが、大人になってから実感したのは、妄想緑、想像力はそのまま人同士のコミュニケーションに非常に必要なことなのです。この人が何を思っているのか、こういったらどう思うか、こうしたらその結果どうなるのか、どういう影響があるのか。それは長ずるにつれ、推察力、推理力、洞察力へと変化していくものだからです。

「相手の気持ちを考えて行動する」という一般的なことすら、今の人たちはスムーズにできないといわれます。本を読んでいないのかなあと思います。

昔ながらの児童書を読み解けば、そこには正しいこと、美しいこと、優しいことの根本的な定義が、きっちりと書かれているのに。

分かりやすいことばで、子供でも分かるように、とても大切なことがたくさん書かれているのです。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという言葉のとおり、例え経験がなくとも、先人達の知恵が導いてくれるものはたくさんあります。

私は名前をいってはいけないあの人と戦う魔法使いでもなく、維新に命を駆けた志士でもなく、灰色の脳細胞を持つ天才的な探偵でもないけれど、その中に確かに息づく彼らのものの考え方や生き方や信念を、感じ取ることはできます。

そしてそれを自分の経験に組み込むことができることが、本を読む素晴らしさの一つなのだと思います。

秋ではなくとも、ぜひ読書を。そこに広がる別世界に浸る幸せを、ぜひ思い出して欲しいなあと思います。

2017-05-10

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