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皮膚疾患の子は長生き?!
皮膚疾患の子は長生き?!

少しずつ、日が落ちるのが早くなってきて、晩夏が体に馴染んで行くのが分かります。

それでもまだ厳しい暑さに、空調は必須と言った所ですが、こうしてまた一つの季節が過ぎて行くのだなあと、感慨深く想います。

外耳炎と下痢は夏の風物詩
外耳炎と下痢は夏の風物詩

八月後半に入り、急激に増えているのが、外耳炎と下痢です。

台風の影響なのか、蒸し蒸しとした陽気に熱さが加わるためか、同じ様な症状の犬猫がつづくと陽気のせいだろうなあと思わざる得ません。

いきなり耳をふりはじめた、触ったらキャンとなく、匂いがすごい、などの症状の場合、早めに受診されて下さい。

また高齢のこの方が、下痢や嘔吐などの症状が長引くことが多いです。 昔は二、三日で収まっていたものが、一週間、二週間と長く続くケースが多いので、この場合も早めに病院へいらして下さい。

高齢のわんちゃん、ねこちゃんの場合、単純な消化器の問題ではなく、腫瘍などが隠れている場合が多いので、注意が必要です。

食欲不信や嘔吐を主訴に来院され、視診で貧血、黄疸などが見つかり、結果的に肝臓腫瘍が原因であったということが、実は珍しくないのです。

早期発見、早期治療に勝るものなし
早期発見、早期治療に勝るものなし

病気を見つけたタイミングによっては、治療として取ることができる方法の選択肢が狭まってしまいます。

腫瘍なども限局といって小さく、その場所にだけある状態ならば、悪性であっても手術などで摘出することができますが、転移をしていたり、主要な血管や神経を巻き込んでしまっている場合、取り除くことは困難です。

その場合、抗がん剤や分子標的薬での治療になりますが、これが該当する腫瘍は限られていて、抗がん剤適用にならないものの方が多いのが現状です。

これはよくお話しするのですが、手術ができる、抗がん剤が使うことができる、放射線療法ができる、というのはそれだけでかなり幸運な状況です。

全身状態が悪化している場合、癌に対しての治療はできず、あくまで対症療法しかできないこともあります。

人と同じで、早期発見、早期治療がとても大切です。

ものが言えない動物だからこそ、また寿命が短い生き物だからこそ、1日、2日が命取りになることもあるのです。

なぜ皮膚疾患の子が長生き?
なぜ皮膚疾患の子が長生き?

獣医医療界のジンクスというか噂で、皮膚疾患を持っている子は長生きする、というものがあります。

これは皮膚病になりやすい犬種が長生きである、ということもあるのですが、おそらく病院へ通う習慣が出来ているためではないかと思います。

皮膚病は誰が見ても分かりやすく、脱毛や発赤、かさぶたなどがすぐ発見できます。 また、大部分の皮膚疾患が、アレルギーベースであるために、基本的に治癒することはありません。

一生涯その体質と付き合って行くので、定期的に動物病院に足を運ぶことになります。
多ければ、一週間に一回、二週間に一回のペースで通院するのは、本当に骨が折れますが、皮膚以外の異常にも気がつきやすくなるのです。

また通い慣れている方は、少しおかしいな?と思っても病院へ連れて行く習慣がつきます。 動物病院へ行くハードルが低いのです。

この程度のことで行かなくてもいいかな?と思うことなく、すぐ行こう!、となる訳です。自ずと早期発見に繋がります。

また回数を通うと犬も猫も病院に慣れます。
ですからすごく嫌がって行けない、と言うことが少ないのです。

病院が大好きで散歩のたびに寄ってくれるという希有な子達をのぞけば、皆基本は苦手ですが、最初は吠えたり暴れたりしていた子がだんだんと落ち着いてくることが多いです。 そうすると通院がさほど苦痛ではなくなるのです。

だから、気軽に行ける病院でありたい
だから、気軽に行ける病院でありたい

膀胱炎や心臓病なども定期的な通院が必要ですが、こちらは飼い主さんから見ると症状があまり目立ちません。

ですから悪くなったときは集中的に通いますが、改善するとつい足が遠のく、というのが一般的でしょうか。 それで残念ながら長生きする病気には含まれないのかもしれません。

腫瘍などは体表に出来た時には見つけられますが、内臓に出来た場合はほとんど自覚症状がなく、食欲不振などが出て初めて気がついたときには 残念ながら手遅れのことも。

出来れば定期的に病院に来ることが苦痛でないように、ご家族に取っての負担にならないように、そういった病院でありたいと思います。

2016-08-31

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