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これは獣医には聞けない?
これは獣医には聞けない?

8月が終わると急に秋めいてきますが、暑さはこのまま静まってくれるのでしょうか?

日が短くなった辺りにその気配を感じますが、秋風のさわやかさはまだ遠く、秋空の高さも入道雲に埋められて、夏の最後のあがきが見えるようです。

ジャンボどうぶつ病院の開院は10月だったのですが、その年は猛烈に暑くて、10月に入ってもかなりの暑さでした。

かき氷とかだした方がいいんじゃないか?と内覧会のための打ち合わせで話が出た事を覚えています。

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さて今回は、誰に聞いたら良いのか分からないお話に関して。

診察時お聞きする事の一つに、排便排尿を外でするのか、中でするのか、両方か?という事があります。

これはホテルや入院などでお預かりする場合に、外でしか出来ない子の場合は、お外に出してあげる必要があるためです。

本当であれば外でも中でも出来た方が年を取って歩けなくなったり、具合が悪くて外に出られない場合もあるので良いのですが、中々難しいものです。

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うちで一番長生きをしてくれたゴールデンレトリバーのジャニスは、とても賢く、良く躾けをされていた子でしたが(うちの雄のゴールデンの元にお嫁に来てくれました)、決して家の中で排便排尿をする事がありませんでした。

彼女は14歳の時に椎体に転移した腫瘍のために、急に後ろ足が麻痺し、歩けなくなりました。

それまでは四頭いた中で、最も足が速くジャンプも上手で、滑り台やボール投げも出来る、運動神経の良い子でした。

よく食べてよく笑って、本当に可愛くて、男の子の中で一人の女の子でしたが全く他の三頭に負ける事なく寧ろ一番強くて、子育ても上手くきちんと六匹の子供を育てた良いお母さんでした。

けれど、寝たきりになった時に困ったのが排便排尿でした。

彼女は頑として外でしかしようとはしませんでしたが、大型犬で26キロ程ある犬を毎回外に連れ出すのは非常に難しい事です。

家の中でしてもいいんだよ、と何度も言いましたが、ペットシーツにする事もしませんでした。

結局、尿カテーテルを入れ、排便はその場でする事にならすしかなく、それでも彼女はいつもニコニコと笑っていて、その顔を見るたびに何度慰められた事か分かりません。

三ヶ月以上の寝たきりの生活を経て、ジャニスは眠るように息を引き取りました。

ゴールデンの寿命を考えれば、本当に良く頑張ってくれました。眠った顔はやっぱり笑っていて、悲しさも寂しさもあったけれど、これだけ一緒に頑張ってくれた彼女に感謝しかないと噛み締めた気持ちを忘れる事はありません。

彼女を介護できた事が、獣医としてやるべき事を全力でしてあげられた、というこの仕事を志した大本の気持ちを満たしてくれたからこそ、今、ここで頑張ることが出来るのだと思います。

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さて、家の中での排便排尿を躾ける場合、やはり室内での便や尿の匂いが大きな問題になってきます。

特に雄の犬猫は尿の匂いが強く、これは未去勢の場合は格段にきついものです。

臭気が服や髪について、出かけた先でも、あ、におう!と思われる事もあるのではないでしょうか?

ところが、「うんちやおしっこが臭いんですが、どうしたらいいですか」

残念ながら、動物病院にいてもこういった質問は滅多に出ません。

むしろ質問して頂きたいのですが…

便や尿が臭いのは、当然のことで、それが一緒に生活する上でどうにか出来る手段を動物病院が教えてくれるとは思われていないからでしょうか。

逆に、そんな事を病院で質問したら、怒られるんじゃないか?と思われている節すらあります。

hr

ではどこに聞けば良いのでしょうか?

おそらく、インターネットで質問、もしくはペットショップやそれに準じた一般のお店で、質問されているのではないでしょうか?

これはとても残念なことです。

市販薬の場合、使用は自己判断になりますし、サプリメント系のものは明らかな健康被害がなければ、大して効いていないというクレームには企業はあまり対応しません。

またネットで購入されたものは、この傾向がもっと高く、最悪、問い合わせ自体が出来ない場合もあります。

これはサプリメントに限った話ではなく、薬やケア用品や食事などでも同じです。

実際に不備があり此方から連絡しても、成分の説明はおろか、企業秘密です、という対応をされた事もあります。

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病院でこそこういった質問をしていただけたら、と常々思っています。

例えば、サプリメントで尿や便の臭気を取るものも取り扱っています。

これが中々優れもので、便でしたら1日で、尿でしたら2、3日で効果があるのだとか…

あくまでサプリメントなので、お悩みの方は試してみても良いのではないでしょうか?

これ以外にも、

  • 涙やけに対する効果のあるケア用品
  • 蚊の忌避効果もある、ノミ、マダニ予防のお薬
  • 歯石を溶かし、付きづらくするスプレー
  • 獣医師専用のリンスインシャンプー
  • お薬を飲みやすくするためのお菓子
  • アレルギーの子やダイエット中の子でも食べる事が出来るおやつ
  • お腹の弱い子や、皮膚の弱い子用の、療法食ではなく一般食など

そのほか、病院で聞いてもいい事なの?と悩まれる様なものが沢山あると思います。

でもこういうものこそ聞いて頂けると、ふさわしいものや確実に効果があるものをお勧めできます。

また何か問題があれば、取り扱いメーカーに問い合わせきちんと説明責任を果たしてもらう事も出来ます。

もし小さな事でも悩まれたのなら、是非聞いてみて下さい。

そのために動物病院はあるのだと思っています。

2015-08-31

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